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26試合目で悲願地元V 小祝さくら“勝利の家飯”「焼き魚が食べたいな」

小祝さくらが念願の地元初タイトルをつかんだ。(撮影:鈴木祥)

<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 最終日◇9日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6420ヤード・パー72>

単独首位からスタートした小祝さくらが「71」とスコアを伸ばし、トータル12アンダーで今季初、そして地元・北海道での初めての優勝を飾った。15歳で出場した2013年「meijiカップ」から10年。地元26試合目での悲願達成に「まだ実感は沸かないんですけど、すごく長かったなと感じましたし、うれしいです」とはにかんだ。

4日間を通して同じグループになった“道産子トリオ”を終始リードした。3番パー5で2打目をグリーン手前のバンカーまで運ぶと、これを寄せて、この組の最初のバーディ。ボギーが先行した宮澤美咲、菊地絵理香を徐々に突き放し、スタート時点の2打差からハーフターンの時点で4打差へとリードを広げた。

後半は前を行く穴井詩、菊地に追い上げられたが「2打差になったら気持ち的に変わるかなと思っていたけど、3打差だったので。自分がボギーを打たないようにマネジメントしていました」。前述の通り、実際には一時的に2打差に迫られた場面もあったが「あっ、そうなんですね。ボードがないので知りませんでした」と最後までペースが乱れることはなかった。

地元での優勝を強く意識し始めたプロ入り当時からの成長を問われると「技術面や球の強さ。持ち球をいろいろ試したり、経験も積んで、アプローチや小技も上達していると思います」。長くドローを持ち球にしてきたが、昨年からフェードに転向。「それがなかなかうまくいかなくて。コーチとも話し合って、1カ月ぐらい前から元に戻しました。なので、今はドローです」。紆余曲折はあったが、これも貴重な経験のひとつだ。

今週は海外メジャー「全米女子オープン」が開催されている。「前半戦は全米出場が目標だったんですけど(世界ランクで)ちょっと足りなくて。そこから北海道でのこの試合に切り替えました。ペブルビーチは行ってみたかったけど、すぐに気持ちは切り替わりましたね」。見方を変えれば、前半戦の不調があったからこそ今大会に出場し、そして地元初勝利を叶えられたといえる。

今年1月から一人暮らしを始めた。試合後は北海道の実家ではなく、都内の自宅に戻る。「もう25歳になったので自立というか、いろいろと勉強中です。外出が面倒なので、自炊すると思います。焼き魚が食べたいな」。好きなものを作るだけでなく、アスリートとしてしっかり栄養バランスも意識する。「ラザニアは失敗したけど、ムニエルとハンバーグはおいしくできました」。ゴルフだけでなく、料理の腕前もメキメキ上がっているようだ。

北海道大会は今季あと3試合。開幕当初から掲げる複数回優勝に加えて「メジャー優勝や地元での2勝目を目標に頑張りたいです」。前半戦の不振を脱し、地元の期待に応えた小祝がここから上昇気流に乗っていく。(文・田中宏治)

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