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会場で見守る父が倒れるアクシデントも 桑木志帆は単独2位でフィニッシュ

桑木志帆はアイアンが復調して、単独2位でフィニッシュ(撮影:米山聡明)

<北海道meijiカップ 最終日◇6日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6593ヤード・パー72>
 
7位からスタートの桑木志帆が「66」のラウンドで、トータル12アンダーの単独2位でフィニッシュした。プレーオフで敗れた「資生堂レディス」に並ぶ自己最高成績。今大会中に父・正利さんが会場で倒れるアクシデントがあったが、その動揺を感じさせないプレーで優勝した鈴木愛に食らいついた。

前半で3つスコアを伸ばしていた桑木だが「追い上げている感じはしなくて、優勝を争っているというより、上位に食い込めたらいいなという感じでプレーしていました」。17番でこの日5つ目のバーディを奪うと、最終18番では「寄せるつもりだった」という10メートルのバーディパットがカップに消え、連続バーディでホールアウト。「最近あまり調子が良くなかったので『66』は驚きです」。このところ乱れていたアイアンショットが復調し始めたことが大きかった。
 
ただ、今週はそれ以上に大きなアクシデントがあった。65歳の父・正利さんが2日目に会場で倒れ、救急車で病院に搬送されたのだ。桑木がそれを知ったのはスタートの5分前。「走って様子を見に行ったら、意識があったので安心しました」。動揺はあったはずだが、第2ラウンドは「69」で回った。「プレー中は考えないようにしていたせいか、あまり心配はしていなくて、ホールアウトした途端に大丈夫かなと急に不安になりました」と当時の心境を振り返った。
 
常に娘のプレーを見守り、ノートに内容をメモしている正利さんだが、先週の「楽天スーパーレディス」では熱中症で点滴を受け、コースを歩けない日があった。今大会の開幕前には「全部、私がやらないといけないと思っていたけど、相談してみたらいろんな方から協力すると言ってくださいました」。娘のサポートを一部、周囲に任せることを考え始めたばかりだった。
 
2日目のラウンド後に病院に駆け付けた桑木は「話も普通にできたし、元気そうで安心しました。運転中とか、一人の時ではなく、周りに人がいる場所だったのでまだ良かったです」。2~3週間はこのまま入院となる見込み。今月末には再び北海道でトーナメントが開催されることを見据え「『ニトリレディス』の時に迎えに行きます」と明るく振る舞った。2度の2位を経験し、次に目指すのは初優勝。最高の手土産を持って、父との再会を果たしたい。(文・田中宏治)

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