元女王に恵みの雨? 2年ぶりV狙う鈴木愛の“ペース配分”

鈴木愛にとっては恵みの雨。残り2日間での体力調整もバッチリだ。(撮影:佐々木啓)

<ブリヂストンレディス 2日目◇19日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>

元賞金女王に追い風が吹いている!?

17位タイからスタートした鈴木愛が「67」をマーク。トータル5アンダー・暫定2位タイに浮上した。第2ラウンドは降雨によるコースコンディション不良で中断し、そのまま午後3時20分にサスペンデッドとなったが、午前スタートの60人はすでにホールアウト。その中で唯一のノーボギーが鈴木だった。コンディションの変化が激しい4日間大会となっているが、それを乗り切るためのペース配分も万全。およそ2年ぶりの通算18勝目へ視界良好だ。

「1個や2個のボギーはすぐに来ると思っていたので、よく我慢できたと思います。ガッツパーもいくつかありました」。鈴木は冗舌にさせたのは、4つのバーディよりもパーを拾ったホールだった。

「8番(パー4)は超ナイスショットだったのに、真ん中の木に『ガーン』って当たって、200ヤードぐらい残ってしまって。最後2メートルを入れてパー。6番(パー5)も111ヤードからPWでダフって手前のバンカーに入れて、3メートルぐらいのパーパットを入れました。あとは11番(パー4)もすごい雨とアゲンストで、これもパーパットは3メートルぐらいでしたね」。ピンチはいくつもあったが、得意のパッティングですべてしのいだ。

気温30度を超えた初日は「午後組だったので、スタートからすごく暑くて。半袖、短パンで行きたかったんですけど、アンダーシャツの上に半袖を着て、長ズボンでプレーしました」。暑さを感じたとしても、直射日光を浴びない方が体力的には楽という判断。ラウンド後の練習もあえてしなかった。「昨年の楽天(スーパーレディース)はさすがに暑過ぎて、毎日即帰ったんですけど、それを除けば、練習をしないで帰るなんて今までの私にはあり得ないですね」。年齢を重ねてきたこと、開幕から好調が続いていることが、4日間を見据えての体力温存を選択させた。

今年の鈴木は予選ラウンドで平均71.3529ストロークをマーク。全体9位の好成績を残しているが、決勝ラウンドでは平均72.0833で全体35位と落ち込んでいる。数字上でも“スタミナ管理”の重要性は明らかだ。

「これだけ雨が降って、明日は初日のように暑くなる予報なので、絶対に蒸しますよね。今日はなるべく早めに帰って、しっかり体の調整をしようと思います」。コースコンディションも変化するため、必ずしもどちらが有利とはいえないが、体力面ではこの日第2ラウンドを終えられた選手に分があるはず。初日から計算通りにペース配分をしてきた鈴木にとって、さらに大きなアドバンテージとなりそうだ。(文・田中宏治)

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