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新鋭・安森一貴が大会記録の『14アンダー』で週末へ “両ワキにタオルを挟む練習”が 好調ショットの基本

ワキにタオル これが効くんです(撮影:ALBA)

<~全英への道~ミズノオープン 2日目◇26日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>

初日「63」をマークしたプロ5年目の新鋭、安森一貴は、第2ラウンドも堂々とスコアを伸ばした。5バーディ・ボギーなしの「67」で回り、トータル14アンダーまで伸ばして2位に3打差の単独首位。2021年にジュビック・パグンサン(フィリピン)が記録した予選ラウンドトータル13アンダーを上回る最多アンダーパーの大会記録で折り返した。

自己ベストのビッグスコアを出した翌日も気負いはない。リーダーボードを意識することもなく、「昨日と変わらず、何も意識せず普段通り、自分のできることをやりました」と涼しい顔で話す。この日最大のピンチは9番パー4。フェアウェイ右サイドに池が大きく口をあけるホール。池を避けるために持ち球とは違うフェードを打とうとしたら「逆球が出た」と左に曲げると3打目はピンまで60ヤード。それを2メートルに寄せてパーでしのいだ。

得意なショットに加えて今週はパッティングがかみ合っている。ショットで1メートル以内のチャンスにつけることもあれば、前日の16番では15メートル弱、この日は3番で12~13メートルというロングパットを沈めるなど、いろんな状況からバーディを生んでいる。

唯一の気がかりはティショットの精度だ。初日のフェアウェイキープ率は57.143パーセント(39位タイ)で、この日は50パーセント(70位タイ)とラフにつかまることが多い。ラウンド後の練習場では、「体の正面で打っていない」ことに気がついた。

2019年のプロ転向後、成績が出ない時期もあったが、「スイングは基本に立ち返った」と両脇にタオルを挟んで落とさないように振る。腕と体を同調させるスイングに磨きをかけて、アイアンショットに切れが増した。それは今も意識するポイントで、「ドライバーはそれと同じ感覚で修正しています」と決勝ラウンドに向けて不安を払拭する。

決勝ラウンドはリーダーとして自身初の最終組を回る。「ギャラリーさんが大勢いると思うので、そこは楽しみ」。ツアー初優勝のみならず、有資格者を除く上位4人には「全英オープン」の出場権も付与される。「全然意識していませんが、自分のやるべきことをやっていればついてくると思っています。今の状態におごらず、謙虚にやっていきたい」。初体験の舞台で腕の見せどころだ。(文・小高拓)

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