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「ワインはぶどうジュースみたいだから飲んでみたい」 尾関彩美悠が20歳バースデーに立てた“誓い”

尾関彩美悠、20歳初ラウンドでのアンダーパーにホッ(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 初日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>

ハタチになって初めてのラウンドを、3バーディ・2ボギーの1アンダーで回り切った。「ギリギリ(アンダー)でしたけど良かったです」。大会初日の6月16日に誕生日を迎えた尾関彩美悠は、ホッとしたような笑顔を見せる。そして何より、この節目の試合を浮上のきっかけにしたいと願っている。

4月の「フジサンケイレディス」で39位になったのを最後に、ここまで7試合連続で予選落ちと苦しい時間を過ごしている。原因はショットにある。初優勝、そして初のシード入りを決めた昨年のパーオン率は68.2%(41位)だったが、今季は58.4%(85位)まで落ち込んでいる。アイアン選びをするなかで感覚を合わせられず、それが「すごく曲がっていた」などの悪いイメージになってしまったのが原因。もともと使っていたアイアンに戻した現在も、その印象を拭いきることはできず、調整の毎日を過ごしている。

今大会はツアーで一番と言われるほどの小さいグリーンが特徴。地面が軟らかいため止まりやすいが、それでもグリーンを狙うショットの精度がカギを握る。この日は、外してもアプローチや、「26パットで拾ったところが多かった」と耐える一日に。それでも「誕生日くらいいいスコアで回りたいなと思っていました」と、意地で赤字をキープし続けた。20歳最初のバーディとなった7番は1.5メートルを沈めたもの。「パーオンさえすれば、(グリーンが小さいから)チャンスになる」と言うだけに、なおさらショットの改善は急務だ。

「ここを節目に、しっかり予選通過をして調子をあげられたらいい」というのが今の願い。まずはメルセデス・ランキングを現在の86位からあげるきっかけをつかみたい。昨年の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」で初優勝を挙げた若きスター候補は、ラウンドを終えると多くのファンから『おめでとう』と祝福された。その人たちに恩返しのプレーも見せたいはずだ。

「きょうくらい好きな色でプレーしよう」と、ラベンダー色のウェアを着用。グリップもこの色にしているほど、気持ちを高めてくれるものだ。“ハタチの印象”について聞くと、「大人って感じ。お酒も飲める年ですし、もう20代かーって思います」と、おっとりとした口調で答えが返ってくる。 ほんわかムードはこれまでと変わりはないが、「すてきな大人になれるように。ゴルフも強くなれるように頑張りたい」とハタチの誓いも立てた。

「まだ実感はないけど、お酒を飲んだりしたら湧くかな。憧れはないけど、20歳といったらお酒というイメージ。ワインはぶどうジュースみたいだから飲んでみたいですね」。苦しい時間を乗り越え2勝目を挙げた時には、勝利の美酒に酔いたい。(文・間宮輝憲)

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