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渋野日向子が魅せた華麗なグリーン周り 深いラフからでも“柔らかく”チップインバーディ

3日目に伸ばした渋野日向子。再びチップインも決めるなど、好ラウンドを見せた(撮影:ALBA)

<ポートランドクラシック 3日目◇2日◇コロンビア・エッジウォーターCC(オレゴン州)◇6467ヤード・パー72>

「67だった感覚がないです」とホールアウト後に首をかしげた渋野日向子。スコアを見れば上々だが、内容には疑問が残った。5バーディでボギーなし。トータル10アンダーまで伸ばし、バーディ合戦のなかで順位を44位から23位まで押し上げても、どことなく表情は晴れない。

前半の7番パー5ではフェアウェイからの2打目をグリーン左手前のラフに打ち込んだ。「あれは根こそぎ持っていった(笑)」と、深いラフに沈んだボールを1メートルに寄せてこの日初バーディ。続く8番では手前6メートルから「打ち過ぎたのが入ってくれた感じ」と、“キレイ”なバーディではなかった。

折り返した11番では8メートルほどのロングパットがカップに沈み、少し表情も和らいだが、続く12番パー5では想定外の事態が起こる。3打目、奥のピンまで94ヤード。50度のウェッジを持って放った3打目はピンを大きく越えてラフに入った。「フルショットで95ヤードくらいの計算だった」はずが、「じゃっかん左足下がりだったのか、めっちゃ飛んでいった」とピンチに。そんな難局で魅せたのが、技ありの一打だ。

深めのラフに沈んだライ。「フェースを開いて柔らかく打とうと思った。58度のウェッジです」。高く舞い上がったボールはグリーンに落ちるとピンに向かって一直線。そのままカップに消えると、大歓声が沸き起こった。

今週はアプローチ練習場が充実。遊び感覚で試していたショットが、実戦でも早速生きている。9番のパー4ではフェアウェイからの2打目がグリーン右のバンカーへ。ピンは右サイドという状況。「めちゃくちゃナイスでした」と3打目はカップをかすめ1.5メートルにピタリときてボギーを回避した。

「先週、ショートサイドのバンカーがことごとくヤバかったので、ちょっと練習して」と、これも今週に入ってから練習場での特訓でイメージを膨らませていた。「成果が出た感じ」と小技のバリエーションが今週はスコアを落とさず伸ばす要因になっている。

寄せとは裏腹にショットには不安もあると話すなか残す18ホール。二桁アンダーとはいえ、首位との差は8打で、順位もかろうじてトップ25。「あしたも伸ばし続けないといけない。メリハリをつけてできたらいいなと思う」。初日、この日の「67」を上回るビッグスコアをたたき出し、3月以来のトップ10をにらむ。(文・高桑均)

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