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選手の価値を“適正評価”。国際バスケ連盟認定エージェントが明かす「結果が全て」な代理人の世界

エージェントの仕事は正直不安定です。4月頃から7月末までの間に成果を上げなければなりませんから、自分が営業をした結果が全てであるので完全歩合ですし、選手が売れなければゼロ円。決して“安定”はありません。(株式会社ジャパン・スポーツ・マーケティング 古賀敏陛)

NPO法人スポーツ業界おしごとラボ(通称・すごラボ)の理事長・小村大樹氏をホスト役として行われている「対談すごトーク」。前回は6月に行われた“公開すごトーク”を掲載しましたが、今回はスポーツ業界を目指す人の間で人気の1つになってきている「エージェント(代理人)」について語られた非常に貴重な回をお伝えします。

エージェントとはどのような仕事なのか。国際バスケットボール連盟(FIBA)認定エージェントで、数多くのバスケットボール選手の代理人を務めている古賀敏陛氏にお話を伺いました。

サッカーからバスケットボールへの転身

私は小学生まではサッカーをやっていたのですが、進学した中学校にはサッカー部がなく、姉の影響でバスケットボール部に入りました。これがバスケとの出会いです。そして、バスケで高校進学の推薦を頂くことができました。ただ、進路を考える際、いわゆる強豪校に進学しても身長が高くないので試合に出られないだろうと思っていたので、“全国まであと一歩”というような高校に入ろうと考え、九州産業大学付属九州高校に入学しました。

高校時代は3年生の時はキャプテンでしたが、ベンチ(控え)メンバーでした。でも将来のことを考えたとき、「バスケを教えたい」という気持ちがあったことから、教員への思いが生まれ、当時アシスタントコーチをしている人のアドバイスもあって、九州産業大学に内部進学しました。入部したバスケ部で大学4年時には主務を担い、寮を寮母さんと一緒に運営・経営をするということをして、お金の面の運営から料理まで幅広い経験ができました。

先輩の結婚式に履歴書を持参し、“日本一”のチームへ

大学では社会科の教員免許も取得し、教員を目指していたのですが、教員の空きの枠がなく、すぐには学校の先生になれない状況でした。大学の監督から卒業後に何をしたいのかを問われ、「バスケットボールを勉強したいです」と解答したのですが、それを聞いた監督が『勉強したいのならば日本一に行くのが良い』と言ったんです。

ちょうど私の4歳上の先輩にいすゞ自動車に入った人がいた縁で、大学の監督といすゞ自動車の小浜元孝監督は親交が深かったんです。そして、小浜監督は当時日本代表の監督も務めていたので、“日本一のヘッドコーチ”と言われていました。その時期に先に話したいすゞ自動車に入社した4歳上の先輩の結婚式が偶然重なり、監督から『横浜で行われるその結婚式に行くから、お前も履歴書持ってついてこい』と言われたのです。

結婚式の会場の1階で監督と待っていたら、小浜監督がやってきて『お前が古賀っていうのか。バスケットボールを勉強したいらしいな。ウチで勉強したいか?』と。「いすゞ自動車に行って何をするのか、何の仕事なのか」という質問もできる雰囲気はなく、「はい」とだけ答えると、小浜監督から『お前のことはよく知らないけど、この監督さんのことは好きだから、お前を採ってやるよ』と言われて、私の就職先が決まりました。

古賀敏陛氏

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