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プロテスト合格でネクストヒロインツアー卒業の本明夏 来年の主戦場を賭けてファーストQTに挑む

プロテストに合格した本明夏がファーストQTに挑む(撮影:福田文平)

10月に行われた最終プロテストをトータル7アンダーの12位タイで合格し、来年からは一つ先のステージで戦うことが決まった本明夏(もと・あすか)。今季は最終戦を含めて3試合のみの出場だったが、「ネクストヒロイン以外の試合は基本的に出ていなかった」本にとってはいい経験を積む場となっていた。

「2日間競技の試合に出たかったんです。試合感をつかむために」。2021年のプロテスト後、「精神的に病んでしまって、ずっとゴルフ嫌だなって思ってました」という本。22年はレッスン活動をするなど、競技から距離を置いたものの「12月くらいになって、自分は試合に出てるときのほうが楽しかったなと思ったんです。もう1回頑張ろうと思いました」と一念発起。失った“試合感”を取り戻すために、ネクストヒロインツアーへの出場を決意したのだ。

プロテスト前に出場した2試合はいずれも2日間競技。第8戦では、4連続バーディを奪って一時トップに立つ活躍も見せた。試合を通して徐々に試合感、そして自信を取り戻していった。

そんなツアーでの経験が生きたのが最終プロテストの場。「最終プロテストの初日(合格)圏外で、2日目に前半で2オーバー打ってしまったんですけど、我慢していればバーディ獲れるから大丈夫だなって思えたんです。前より焦らずプレーできるようになったなって思います」。複数日程の試合を経験していたからこそ、大切な舞台でも心に余裕が生まれた。そして3日目に6バーディ・1ボギーの「67」をマークし、34位タイから10位タイに急浮上したのだった。

ただ、合格圏内に入ったことで「最終日はめちゃくちゃ緊張しました」ともいう。「いろいろなところにボードがあって、後半の13番でボギー打って6アンダーになったとき、カットラインが5アンダーだって目に入ったんです。1個落としたらやばいんだって分かった次のホール、人生で初めてパターで手が震えました。でもパーで切り抜けて、15番でバーディを奪えた時に、ちょっと安心できました」。

「やっと終わったんだなって。めっちゃ嬉しかったです」と当時の心境を振り返りつつ、「合格していないで出られる、試合感を味わえる試合。私としては一番ネクストヒロインツアーがよくて、本当にテスト前にいい経験を積めた場でした。出られるなら出たほうがいいよって思います」と、同ツアーに太鼓判を押してくれた。

そんな本は、明日から裾野カンツリー倶楽部(静岡県)で開催されるファーストQTに出場する。「はっきり言って調子はよくないんですけど、4日間あるので大崩れしないことを意識して、最後までチャンスを残せるようにしたいなと思います。何位とかは決めてませんがファーストでもファイナルでも4日間で4アンダーで回りたい」と意気込む。マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーから飛び立ち、来年の主戦場を賭けた戦いに赴く。(文・杉本夏希)

※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。

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