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「上りが下りに見える…」熱中症からカムバック 神谷そらの初日はどうだった? 

体調万全とはいかず…。それでも神谷そらが頑張った(撮影:米山聡明)

<北海道meijiカップ 初日◇4日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6593ヤード・パー72>

ルーキーイヤーの今季、初優勝を飾った神谷そらが4バーディ・1ボギーの「69」をマークし、3アンダーの18位タイにつけた。先週は3日目のスタート前に熱中症で棄権。まだ体調万全とはいえない状態であることを思えば、上々のスタートとなった。

同じく、先週の第2ラウンド途中に棄権した河本結も2アンダーの31位タイと復帰戦としてはまずまずの滑り出し。第2ラウンドの中断中に倒れながらも4日間完走した植竹希望は、2オーバーの88位タイと出遅れたものの、元気な姿を見せている。

「休憩があって良かったです。休憩がなかったら回れていなかったかも」。初日はハーフターンで待ち時間があり、この約40分がまだ体調万全ではない神谷にとって、貴重な休憩時間となっていた。この日もまだ「頭が痛くなったり、平衡感覚がおかしいというか、上りが下りに見えたりすることがあります」という状態。ゴルフの方も同じく万全とは言い難い。

「昨日までショットはちゃらんぽらんで、今日からようやくゴルフになってきた感じです」。現在ドライビングディスタンス1位(258.53)と自慢の飛距離も、今週はやや落ちている。「ヘッドスピードが1.5メートル/秒ぐらい落ちているので、距離にすると10ヤード弱だと思います」。今大会は「計測に適したホールがない」(JLPGA)との理由でドライビングディスタンスの計測が行われておらず、データ的な比較はできないが、このあたりは本人の感覚が一番正確だろう。

そんななかでも、体調が回復に向かっていることを感じさせるのは「アイアンだけは飛距離が戻ってきた」こと。スタートの1番パー4の2打目、残り125ヤードから飛距離が落ちていることを計算に入れてPWを握ったが、結果は「ぶっ飛んでいきました(笑)」。奥のエッジまでは130ヤードだったが、これをキャリーでオーバー。1Wの飛距離は落ちてもアイアンはいつも通りとあって、2番以降は番手選びの感覚を修正した。

「病み上がりなので欲は出せないです。どっか行っちゃいそうだから」と毎ホール、グリーンセンターを狙う安全重視のマネジメント。当然、ベタピンのバーディチャンスは生まれないが「いつか入るかなと思って、10メートルぐらいのパットを打ち続けました」。結果的にはこれが4つのバーディにつながった。

前夜は温泉施設を利用したが「ホテルの部屋がシャワーだけだから行っただけで、体調を整えるためではないですね。対策は早く帰って早く寝る。それだけです」。体調の回復とともに、1Wの飛距離も戻ってくれば、ここから上位進出の可能性も十分にありそうだ。(文・田中宏治)

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