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おかえりMOEちゃん! 米下部ツアー転戦から10カ月ぶりに帰国の西畑萌香「うーん…楽しみたい(笑)」【大和笑莉奈の突撃ステップ・アップ便り】

米帰りの西畑萌香がステップに参戦!

<中国新聞ちゅーピーレディースカップ 事前情報◇20日◇芸南カントリークラブ(広島県)◇6590ヤード・パー72>

全23試合が行われる今季のステップ・アップ・ツアーは、秋の10連戦の2戦目が21日(木)から開催される。広島県で行われる3日間大会。昨年は、ステップ5勝で大ブレークし、今年のレギュラーツアーですでに3勝を挙げている19歳の櫻井心那が制している一戦だ。2012年から行われている大会も今年で12回目。今年はどんなヒロインが生まれるのか。そんな大会を前に、自身も同ツアーに出場する大和笑莉奈が注目選手から聞き出した生の情報をお届けする!

■10カ月ぶりに米国から帰国

「エプソンツアーに出ているのをいつも見ていて、スゴいなーと思っていました」と大和が今回話を聞いたのが、米国下部ツアーのエプソンツアーで戦ってきた西畑萌香。ご存じ1998年度生まれの黄金世代の一人で、つい先月まで米本土を飛び回っていた。かつてエプソンツアーの前身であるフューチャーズツアーに参戦していた大和だからこそ、その過酷さを理解している。

「フロリダから始まって、アリゾナ、カリフォルニア、アリゾナ、ミシガン、インディアナとか」とこの1年を振り返る西畑。昨年から参戦し賞金ランキング76位で今年の出場権も得たが…。今年は予選落ちが続き、ここまでは苦しい時間が続いた。そしてここで決断。「今年はこのあと日本のQTに絞ります」と、日本での戦いを選択した。

本来なら10月までエプソンツアーは続く。そこでランキング上位に入れば米ツアー出場権をかけた最終予選会(Qシリーズ)に参戦できるが、そのQシリーズも日本のファイナルQTと日程がかぶる。悩んだ結果、日本に戻ることを決意した。

■米下部ツアーの過酷さは…

エプソンツアーは過酷とはよく聞く言葉だが、そのスケジュールを見れば一目瞭然。大都市での開催はなく、だだっ広い米本土の片田舎で開かれる試合がほとんどだ。「本当に過酷じゃないですか? 環境も食べ物も」と大和が聞けば、即答で「大変です!」と西畑。扱いは下部ツアーのため日本のステップと同じだが、エプソンツアーでは自分でバッグを担いで回る選手もおり、ステップのようにハウスキャディが1組に1人つくわけでもなく、決して優遇されるような華やかな環境ではない。

加えて、その移動や滞在費も馬鹿にならない。「去年はホテル暮らしでしたが、エプソンツアーは大会ごとにホストハウスがあって、ホストファミリーの家に泊まっていました」と、今年は大会側が用意してくれる地元の“一般のお宅”にお世話になってきた。費用を抑えられるのと同時に、「私生活では大丈夫です」と英語力もアップ。貴重な経験ができたのは財産にもなっている。

とはいえ、今年は調子が出ずに、ここまでの賞金ランキングは170位。前述の理由もあって、来年の主戦場を日本のレギュラーツアーに見据え、QTを勝ち上がっていくために日本での戦いを選んだ。「去年ははじめてでうまくいったけど、今年はゴルフの組み立てができなかった。コーチも日本にいて見てもらうことができないので、早めに帰国して見てもらおうと思いました」と、11月末から始まる日本のQTに照準を絞ることになった。

■久しぶりの日本ツアーは?

「アンダーを出さないと戦っていけない。そのなかでドライバーがうまくいかなくて、ゴルフが崩れました」と今季不振の理由を明かす。「それをQTまでにまとめていきたい」とこのあとはステップに出場しながら立て直しを図っていく。

日本の試合は昨年の11月以来。米国の過酷な環境のなかでプレーしてきた西畑にとっては、まずは日本のコースに“慣れる”ところから入る。「感覚を戻して、ここから頑張ってほしい」と大和がエールを送れば、「久しぶりの試合。今年は成績が悪くてゴルフを楽しめなかったので、とりあえず楽しんで(笑)」とゴルフのおもしろさを追求するところからやり直す覚悟だ。

華やかなレギュラーツアーと違って下部ツアー、特に米国はコースメンテナンスや移動ももちろん、大和が言うように“大変”な場所だ。そこでもまれた西畑からファンに一言。「うーん…、頑張ります(笑)」。大和も応援する逆輸入のMOEちゃん。まずは暑さに負けずに、試合を楽しんでほしい。

解説:大和笑莉奈(やまと・えりな)
1990年2月13日生まれ、山形県出身。中学時代にはアルペンスキーで全国大会出場経験も持つ。宮里藍らを輩出してきた名門の東北高校ゴルフ部に進み腕を磨くと、2009年のプロテストに合格。13年には「エディオンレディースカップ」でステップ・アップ・ツアー優勝。レギュラーツアーでも優勝争いを経験してきた。現在はテレビでの解説なども務め、21年にはゴルフ業界活性化、女子プロゴルファーの新たな可能性追求のため、「LPGA女子プロゴルファーズ連盟」を立ち上げた。

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