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左ヒジの引けたフォローに悩んでいるなら、森田遥が最高のお手本【優勝者のスイング】

完成度の高い森田遥のスイング。左ヒジの引けたフォローに悩むスライサーは、ぜひ参考にしたい(撮影:福田文平)

「スタンレーレディスホンダ」で、2017年の「北海道meijiカップ」以来となるツアー2勝目を飾った森田遥。アマチュア時代から数多くのタイトルを獲得し、米ツアーにも挑戦した実力者だが、初優勝の後にはシード落ちも経験。中堅と呼ばれる27歳になっての嬉しい勝利となった。そんな彼女をジュニア時代から知るプロコーチの南秀樹は、「昔から100ヤード以内の縦距離のコントロールが非常に上手い選手。昨年は優勝争いの中でシャンクしてしまいましたが、その時よりも左ヒジの使い方が上手くなっています」と、ショットの正確性が上がっているという。そんな、彼女のスイングからわれわれも真似したいポイントを解説してもらった。

縦距離をコントロールしているのは、インパクトからフォローにかけての左ヒジの動きだ。背中側へ引くようにして、インパクトに微妙な強弱を付け距離感を出している。この動きができるのは、“ワキが締まったスイング”ができているから。フォローで左ヒジが引けてスライスに悩んでいるなら、このワキの締まったスイングは、ぜひとも取り入れたいポイントだ。

まずはアドレスが肝心になる。「腕をダラっとさせたまま、横からワキを締めて、そのままクラブを握ってください。二の腕が胸の前に出るように、ワキを縦に締めてしまうと、スイング中にワキが空きやすくなります」。

続いてトップでは右ワキをチェック。「トップでは右ワキは開くものです。ワキが閉まり、腕が体についたままだと、軌道がズレ、飛距離も出ません。右ワキの開き加減はシャフトの位置で判断します。シャフトがクロスしているようならワキが開き過ぎです」。適度に開いた右ワキは下半身リードができれば、ダウンで自然と閉まってくる。ホースやタオル、柔らかいものを振って、“トップでクラブを置いてけぼり”にすることが、下半身リードをマスターする練習になる。

インパクトからフォローにかけては左ワキを締めるとクラブが加速する。スライサーに多い、左ヒジが引ける(体から離れる)動きも矯正でき、球がつかまるようになる。「左ワキを締めるには、ヘッドがしっかりと出ていくことがマスト。つまり、しっかりと腕を振って欲しいんです。切り返しで下半身が先行すれば、腕を振るスペースができ、力強く腕が振れます」。

森田のようなワキの締まったフォローは、フォローサイドだけを意識しても真似することはできない。アドレスからワキが締まるポスチャーをとり、切り返しでも下半身リードをすることで、正しいポジションをクラブが通り加速。左ワキも自然と締まってくるのだ。球がつかまらないなら、アドレスから見直してみよう。

南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属

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