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松山英樹はまさかダボ2発で撃沈 ホールアウト後に夕闇の“特打”敢行

「76」で下位に沈んだ松山英樹。ショットを修正して3日目に挑む(撮影:岩本芳弘)

<ZOZOチャンピオンシップ 2日目◇20日◇習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>

日本で唯一開催されている米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の第2ラウンド。最大瞬間風速16.5m/sの強風が吹いた難コンディションに、2021年大会覇者の松山英樹は苦戦した。1バーディ・3ボギー・2ダブルボギーの「76」。初日の36位タイからトータル5オーバー・61位タイへと急落した。

きょうは6011人のギャラリーが来場し、松山の組には多くの観客がついていた。前半は1バーディ・2ボギーの1オーバーでまとめた。後半の出だし1番パー4ではティショットを右に曲げて、ロープを越えたラフに。多くのギャラリーに囲まれた状態で放ったセカンドショットはピン手前6メートルにつけ、2パットのパー。その後、2番、3番もパーを並べた。

4番ではボギーを喫したが、続く5番パー3で観客を魅了するプレーを見せた。風は左から強く、右には大きな池が構えている。ピン位置は右エッジから5ヤード。一度アドレスを立て直さなければならないほど、風は強く吹いていた。アイアンで放ったショットは、グリーン左にあるリーダーボードの液晶パネル方向に飛んだ。「フォア―!」のかけ声が鳴り響く。

松山の見せ場はそこからだ。多くのギャラリーに囲まれて放つことになったラフからの2打目。バンカー超えのアプローチはエッジ先に落ちて、コロコロとカップ方向へ。惜しくもカップの右を通り過ぎて、50センチのところで止まった。慎重にラインを確認した松山は1パットで決めてパー。あとわずかでチップインバーディという一打に、ギャラリーからは「上手い!」、「さすがだ!」、「かっこいいなあ」など感嘆の声がもれた。

だが、2オーバーで迎えた7番パー3でアクシデントが起こる。ティショットを打った直後、松山は空を見上げ、苦い表情で首を横に振った。ボールはグリーン左奥のロープを越えて、土がむき出しのベアグランドに転がった。そこから打った難しいアプローチはグリーンに届かず、3オン2パットで痛恨のダブルボギーを喫した。

負の連鎖は止まらない。直後の8番パー4。アイアンで打ったティショットは、フェアウェイ右のバンカーへ。セカンドはレイアップし、フェアウェイからの3打目はピン奥約6メートルほどにつけた。しかし、続くパーパットはカップを通り過ぎ、返しも入らず。3パットで連続ダブルボギーとしてしまった。松山は腰に手をあて、悔しい感情を隠すことができなかった。

ホールアウト後、松山は練習場に直行した。ヒザを地面につけてキャディバッグに寄りかかかり、唇を噛んでうつむく姿も見せたが、すぐに気持ちを切り替えて練習を始めた。

まず、手にしたのはドライバー。フィニッシュで勢いよくシャフトが背中に当たり、スタンスが解けるほどのフルスイングでショットが放たれた。そこから10分間ほど力強いショット練習が続いたあと、メロンほどの大きさをした紫色のボールを首からかけて、ヒジとヒジの間に挟みながらアイアンを打つメニューに切り替わる。

黒宮幹仁コーチとスイングについて相談しながら調整し、約1時間半ドライビングレンジにこもっていた松山はショットも徐々に落ちついてきた様子だった。日も落ちはじめ、あたりは薄暗く、肌寒い。打席練習を終えると、パッティンググリーンに移動して最終調整に励んだ。(文・高木彩音)

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