アイスクリームという名前の甘味な卓球ラケットがある?

卓球×インタビュー アイスクリームという名前の甘味な卓球ラケットがある?

2021.10.06 取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)
先に結論を言うと、ある。

アイスクリーム。

しかも超本格派のラケットだと言う。
であれば、なおさら疑問がある。

なぜ、その名前に。

断っておくと「卓球のラケットは、なるべく親しみやすさを感じて頂くために、歴史的に甘味の名前をつけます」などという伝統は一切ない。
張本智和モデルとか、インナーフォースとか、ユーザーが想像しやすい商品名が一般的である。
食べ物の名を持つラケットは、聞いたことがない。

アイスクリーム
さらに謎が深まる、たぶん“アイスクリーム”ラケットのPRビジュアルこのページの目次

  • [6 【日本初】劇場開催のTリーグの試合を観に行ってみた]()

販売元に問い合わせると

Rallys編集部でも意見が割れた。
「性能が良すぎて相手が震える、という意味も込められてるのではないか」
「だったら、クリームをつけてわざわざ甘くする必要があるのか」
「形がアイスクリームに似ているのでは」「似てない。というか、基本的にシェークハンドのラケットの形はほぼ同じだ」
「そのシェークハンドの“シェイク”とアイスクリームがかかっているのではないか」「何のために」「そもそも何味なのか」

埒が明かない。
すぐに、製造・販売元のXIOM(エクシオン)に聞いてみることにした。
ちなみに、このエクシオンという社名さえ読みづらい。謎が深まる。ネーミングに独自のセンスがありすぎるのではないか。

「私が付けたわけではない」

すぐにXIOMの日本販売元、卓永(たくえい)代表取締役の鶴高寿(つる たかひさ)さんにオンラインで取材することができた。ネット時代の恩恵だ。

XIOM 鶴高寿さん
写真:XIOM日本販売元、卓永(たくえい)代表取締役の鶴高寿(つる たかひさ)さん/撮影:ラリーズ編集部——なぜ、その名前を付けたのでしょうか
鶴:
「いや、私がつけたわけではないんです。XIOMは、2004年創業の韓国の卓球メーカーで、私たちはその日本販売元です」

——最初に聞いたとき、驚きませんでしたか
鶴:
「思い切ったなとは思いました。開発にも相当力を入れて、トップ層向けに開発したハイレベル製品なので」

——誰が名づけたんでしょうか
鶴:
「うーん、わからないんですよね。ただ、このアイスクリームを使って東京五輪で男子シングルスベスト8に入った弊社契約選手、韓国の鄭栄植(チョン・ヨンシク)選手がアイスクリーム好きだからという話もあって」

鄭栄植
写真:鄭栄植(韓国)/提供:ITTFなんと、このアイスクリームの名を持つラケット、東京五輪シングルスベスト8で、日本との団体3位決定戦で丹羽孝希を破った、あの鄭栄植(チョン・ヨンシク)選手も使っているのか。

鶴:「性能はもちろん、グリップの先鋭的なデザインも含め、国内外のトップ層の選手たちからも評価を頂いてます」

関連記事