ゴルフ一族の27歳 金田直之が圧巻2イーグルで上位戦線に浮上

イーグル2発! ゴルフ一族の金田直之。最終日の戦いにも注目だ(撮影:ALBA)

<横浜ミナトChampionship ~Fujiki Centennial~ 3日目◇5日◇横浜カントリークラブ(神奈川県)◇7231ヤード・パー71>

今季からツアーに本格参戦している27歳・金田直之が、2イーグル・2バーディ・3ボギーの3アンダー「68」と豪快なプレーを披露。トータル6アンダー・7位タイに浮上して3日目の競技を終えた。

難しい横浜CCで2イーグルとは驚いた。4番パー5では、247ヤードのセカンドを「腹をくくって打った」という5番ウッドのショットを1ピンの距離につけると、難しい下りのフックラインを見事に読み切り1パットで沈める。

さらに14番パー5。「打ち上げだったので、入ったのは見えなかった」という62ヤードの3打目は、2段グリーン奥からバックスピンで戻してカップインさせるスーパーイーグルだった。

今季からツアーに本格参戦している金田だが、実は3代続くゴルフ一族の出身。バリバリのサラブレッドだ。祖父の名は伊能一郎。ツアー未勝利だが、1980年代から長く活躍したプロゴルファーである。現在はPGAティーチングプロとして活動し、多くのアマチュアを指導する。

『足の指で地面をつかむように』『右のベタ足』『右腕を高い位置に保ったスイング』など、その独自の理論は当時の書籍やゴルフ雑誌などでも頻繁に取り上げられていた。また、ジャンボ尾崎が圧倒的な強さを誇っていた頃、あるトーナメントの練習場で伊能のスイングを観察するようにじっと見つめていたというエピソードもある。

そして父親は、金田二郎。日本大学ゴルフ部出身で、同期にはツアー通算6勝の川岸良兼がいる。プロ入りは断念したものの、卒業後は川岸のキャディやマネージャーとしてサポートするなど、プロツアーの世界を知り尽くしている。

そんなゴルフ一家に生まれた金田。様々なアドバイスがあるのでは? と思うが意外にも「本当は身内にみてもらうのがいいんですけど、ケンカになるので。最初っからアドバイスを聞き入れられない。だからおじいちゃんも結構教えたがりなんですけど、あんまり聞いてないです」と話す。

小さいころに父親から教わったのは、「とりあえず振り切れ、とにかく飛ばせ、方向性は後からなんとかなる! でした」。そして「川岸さんとラウンドした時も、『ボギーは打っていいからバーディを獲れ。ダボは打つな!』って教わりました」。

今ではショートゲームの技術が向上したおかげで、ボギーを打つことも少なくなったという。最終日の注意点は「アドレスで腕に余分な力が入らないように気をつけていきます」と爽やかに答えてくれた。持てる力を出し切れるか? 27歳の大器が最終決戦に挑む(文・土屋裕一)

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