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古江彩佳が強風に苦しみながらも2週連続4位 目の当たりにした“ネリーの意地”には「最後まで集中していた」

古江彩佳はツアー2勝目ならずも…。2週連続で好成績を収めた(撮影:ALBA)

<LPGAドライブオン選手権 最終日◇28日◇ブレーデントンCC(フロリダ州)◇6557ヤード・パー71>

4打差の逆転を目指し最終日最終組でスタートした古江彩佳は、前日までと方向が変わった北風に苦しめられた。3バーディ・5ボギーで「73」。トータル7アンダーの4位タイに終わり、「風や気温に対応しきれなかった。悪いライもあったなかで、その対応力がまだまだだなと思いました」と優勝を争った一日を振り返った。

ピンがグラグラと揺れるほどの風のなか「集中するだけ」という気持ちで1番ティに立った。しかし、その風の威力は「予想以上」。スタートからいきなりボギーを叩くと、そこからも毎ホール、ギリギリの判断を迫られた。

特に頭を悩ませたのが、番手間(ビトゥイーン)の距離が多く残ったこと。「左のアゲインストの時は(持ち球が)ドローなので長いクラブを持つようにしたり、右のアゲインストの時はグリーンの左奥が気になって、短いクラブを選んだり」と、毎ショット神経をすり減らす旅路。ここまでの3日間は16回、18回、16回を記録していたパーオン数も13回に減少と、苦しかった心中がうかがえる。

「風がスイッチするだけで違うコースのように感じた」。タッチは合いながらも、一筋決まらないパターにも悩まされた。とはいえ、もちろん苦しかったのは古江だけではない。同組で回ったネリー・コルダ(米国)も、最後はプレーオフで劇的な地元優勝を成し遂げたが、スコアは「73」。古江はそのなかで耐えるべきところを耐え、終盤に首位と1打差まで迫る粘りも見せた。

悔やむのが、チャンスを逃した11番、12番ホール。「なかなか上も伸びていなかったので、入れないといけなかった」と振り返る場面だ。17番では3メートルを沈めたが、そこまでにしっかりと食らいついていく必要性を強く感じた。

コースがあるブレーデントン出身の地元選手ネリーと、メーガン・カンの米国勢2人との組は大ギャラリーに囲まれた。“完全アウェー状態”ともいえたが、「お客さんも多くて楽しませてもらった」と物怖じすることなく、自分のゴルフと向き合い続けたのはさすが。試合は17番のイーグル、そして18番のバーディで、ネリーがクラブハウスリーダーだったリディア・コ(ニュージーランド)に追いつくという劇的な展開となった。「最後まで集中を切らさずにゴルフをしていたなと感じました」と元世界1位のプレーを目の当たりにして、感服もした。

悔しい日になったが、それでも先週に続き2週連続の4位という結果には、「予想以上だった。フロリダの慣れない芝で上位争いができたことはうれしい」という満足感も覚えている。この後は、2月15日開幕の欧州女子ツアー「アラムコ・サウジ女子国際」に出場し、タイ、シンガポール、中国での米国女子ツアーアジアシリーズの4連戦が待っている。「この調子を維持できたら」。しばし日本での調整期間を挟み、再び今季初勝利を目指していく。(文・間宮輝憲)

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