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セキ・ユウティンは“一本足打法”で捻れマックス! 流れないヒザが男前すぎる【女子初シードスイング解説】

左が今月撮影したユウティンのトップ・オブ・スイングで、右が20年のもの。一本足打法を取り入れたことで捻転がより大きく進化した(撮影:福田文平)

3月2日の女子ツアー開幕に先がけ、22年に初シードを獲得した11人のスイングを飯島茜が解説。同時に今季の活躍を占う。今回はセキ・ユウティン(中国)のぶっ飛び“一本足打法”スイングを見ていこう。

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セキ・ユウティン
1998年3月5日生まれ 24歳 福井県出身 身長171センチ
メルセデス・ランキング30位 年間獲得賞金27位(4864万1896円)
22年シーズン1勝(ゴルフ5レディス)
ドライビングディスタンス14位 245.26ヤード
フェアウェイキープ率63位 64.7010%
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ユウティンの以前のスイングと今年の合宿で撮影したスイングを比較すると、トップの捻転が大きくなっていることがわかる。飛距離を伸ばすために、左足を地面から挙げてから打つ“一本足打法”ドリルを取り入れ、実際のスイングでもそのイメージを実践。トップでは左足カカトを上げて深く捻転している。このスイング改造により、ドライバーで20ヤードもの飛距離アップに成功した。

「実際は左足をついていますが、ドリルを行うときのように上げて打っているようにも見えます。だから遠心力を最大に使えている。オーバースイング気味ですが、横峯さくらさんもこのタイプ。オーバースイングが悪いわけではなく、足が寄れずに右股関節でしっかり体重を受け止められているので、緩まずに大きな捻転を生み出しています」
 
これだけトップで右足に乗るとスピードが上がる半面、インパクトでブレそうだが、飯島は切り返しの左ヒザに注目する。
 
「これだけ捻転が強いのに、切り返しでヒザがまったく流れていない。力が弱いと上体が起き上がって手元も浮きそうなのに、ずっと浮かずにインパクトできる。クラブを戻していくときに足で耐えていないと、こうはなりません。上体で打っている人だと球が散ってしまうでしょうね」

ユウティンのスイングを後方からみたとき、ダウンスイングではグリップエンドがボールを指す。前傾をキープしながら手元が浮いていないことを示しているだが、これが賞金を稼げるか稼げないかの分岐点だと飯島はいう。
 
「あれだけ振りかぶっているのに、クラブがいいところから入ってくるから再現性が高い。稼げている年はこの辺がドンピシャにいいんですよね。ツアープロになるとほんのちょっとの差なんですけど、入りが悪いと手先で小細工しちゃう。『あれッ? あれッ?』とショットの調子が落ちれば、ほかにプレッシャーがかかってパターまで悪くなったりします。ユウティンさんのこのダウンスイングを見ると、今年も活躍しそうな気がしますね」
 
かわいらしいルックスで日本のファンからも人気が高いユウティンだが、大きな捻転でエネルギーを溜めて、クラブが暴れないように押さえ込むカラダの使い方はむしろ男前。中国で“スイートハート”と呼ばれた時代から大きな進化を遂げている。
 
■飯島茜
いいじま・あかね 1983年7月11日生まれ。千葉県出身。05年のプロテストに一発合格すると、同年から12年連続でシード権をキープし、「日本女子プロゴルフ選手権」などツアー通算7勝を挙げた。現在はツアーの第一線を退き、東宝調布スポーツパークでアマチュアにレッスンを行ったり、YouTuberとしても活躍中。

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