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キャリア初の3試合連続予選落ち 稲見萌寧の苦悩 「できる範囲で全力でやっていきたい」

稲見萌寧は苦しい時間でも… 好相性の地で復活へ(撮影:米山聡明)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 事前情報◇2日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇6780ヤード・パー72>

コロナ陽性による隔離期間を挟んで、直近の3試合はキャリア初の出場3試合連続予選落ちに終わった稲見萌寧。「スイングの違和感と腰の痛み」からオフにスイング改造に踏み切り、今季はここまで2位タイと3位タイが一度ずつあるものの、それがまだ体に馴染んでいない。そんな状態で4日に開幕する今季メジャー初戦を迎える。

稲見は火曜日からコースに入って、インの9ホールを練習ラウンド。「グリーンはけっこう硬くて速い。コースは仕上がっていますね。がっつりメジャーのセッティングですね」。加えて、「距離がインコースだけで何ホールか伸びていたので、『ここで伸ばしちゃうか~(笑)』っていう厳しいところはけっこうありました」と話す。

2年ごとに東コースと西コースが入れ替わる高い。今年は昨年と同じ西コースが舞台となるが、総距離が6680ヤードから6780ヤードへ100ヤード伸びた。インコースでは昨年の難易度14番目の11番パー4が395ヤードから35ヤード伸びて430ヤードに、難易度3番目だった14番パー4が10ヤード伸びて415ヤードに、もっとも易しかった17番パー5が、25ヤード伸びて540ヤードとなった。

アウトコースでは、難易度6番目だった4番パー4が5ヤード伸びて420ヤードに、2番目に易しかった5番パー5は5ヤード短くなって505ヤードに、難易度9番目だった9番パー4は30ヤード伸びて415ヤードに変わった。ただ、難しいコースほど実力を発揮する稲見と茨城ゴルフ倶楽部との相性は悪くない。東コースで行われた2021年大会では2位タイ、西コースの昨年大会は3位タイに入っている。

しかし、稲見の今の状態ではコースよりも、スイング改造との戦いがメインになりそう。「頭では理解できているんですけど、練習はまだできるようになっても、試合ではちょっと癖が出てきちゃってミスショットしたりとかけっこうある。横のズレは先週も少なくなってきて、ピンに飛んでいったりもするんですけど、縦の距離感がまったく合わなくて、そういうのもちょっとずつという感じですかね」。

最終目的地は「なるべくストレート目のフェード」だが、この日はドライバーでは持ち球のフェードではなく、ドローを打っていた。これは「スイング改造の過程」ととらえている。「前は体が上手く動かないぶん、手で合わせたりしていた。いまはしっかり体を使って逆にしている感じ。これをものにできれば安定してできるんじゃないかな」。いまは動きの変化にボールが安定せず、スコアを作るのに苦闘している。

誰もが獲りたいメジャー大会だが、シーズン中の大改造に「時間が足りない」のが本音。成績をとるのか、それともスイング改造を優先させるのかで揺れる気持ちもある。「両方でありたいんですけど、正直きついなと思っています。でも、試合のなかでやっていかなきゃ成長できないので、いまはできる範囲で全力でやっていきたい」。不安定なショットとうまく付き合いながら、持ち前のマネジメント力とショートゲームの技術で、この苦しい時期を乗り切っていく(文・下村耕平)

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