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女子メジャーは初開催のペブルビーチ! しかしその歴史を紐解くと…

歴史と伝統あるペブルビーチ・ゴルフリンクスを練習ラウンドする岩井明愛、千怜の岩井姉妹(撮影:ALBA)

<全米女子オープン 事前情報◇4日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>

今季女子メジャー第3戦の「全米女子オープン」が“ペブルビーチ・ゴルフリンクス”で開催される。米カリフォルニア州、サンフランシスコから南に約170キロ、ドライブで2時間足らずに太平洋を臨む風光明媚なモントレー半島がある。その半島の海岸線を走る“17(セブンティーン)-マイル・ドライブ“の中にアメリカを代表するリンクスコースが誕生したのは1919年、海から強風が吹けば難コースが大きく牙をむくことでも知られる。

1929年、このペブルビーチで開催された全米アマチュア選手権を球聖と呼ばれ、のちにマスターズ・トーナメントを創設したボビー・ジョーンズ(米国)が制すると、同コースの美しい姿は世界に知られることになった。

以来USGA主催の大会は14度開催、1972年の全米オープンはジャック・ニクラス(米国)、1982年はトム・ワトソン(米国)、1992年はトム・カイト(米国)が制し、2000年大会はタイガー・ウッズ(米国)が2位に15打差をつけ圧勝、輝かしいチャンピオンを送り出してきた。

またPGAツアーでは毎年1〜2月に「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」を開催、セレブリティが集まる華やかな大会としても知られている。そのペブルビーチで初の女子メジャーが開催される。しかし・・・意外なことに過去に米女子LPGAツアーのレギュラー大会が開催されていたことは余り知られていない。LPGAツアーが創設された1950年、ペブルビーチを舞台にウエザーバン・トランスコンチネンタル女子オープンが開催、ベイブ・ザハリアス(米国)が制し、51年大会ではLPGAツアー創設者の一人、パティー・バーグ(米国)が勝利した。

今週は全長6509ヤード、パー72で戦われるが、女子のコースレコードを保持するのはローズ・チャン(米国)で、2021年、同コースで開催された“ザ・カーメルカップ”で63をマークした。先の男子全米オープンが開催された名門・ロサンゼルスCCなどのプライベート(会員制)クラブとは違い、ペブルビーチは誰でもプレーができる“パブリックコース”。とはいえコースに付帯する高級リゾートホテル、“ザ・ロッジ”(もしくは系列ホテル)に滞在することが事前にティタイムを確保できる条件となっている。

ただリゾートに滞在していなくても24時間内なら空きがあればプレーできる。ゆえに1番ティのプロショップの前には、空きがあるかもと待つゴルファーの姿を見かける。

ちなみにそのプレーフィのお値段は・・・1ラウンド(カート込み)で$625(約9万円)。世界のパブリックコースでは常にランキング1位に輝くゴルファーの憧れの地が今週、女子ゴルフの最高峰の舞台となる。(文・武川玲子=米国在住)

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