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独特なシュートフォームをSNSでネタにされたマリオンが反論「俺はジャンプシューターとして一貫していた」<DUNKSHOOT>

個性的なフォームで知られたマリオン。3ポイントは波があった一方で、フリースローの成功率はキャリア通算81%を誇った。(C)Getty Images
フェニックス・サンズの勢いが止まらない。

現地時間3月24日、サンズは敵地でデンバー・ナゲッツを下して7連勝。今季60勝に到達するとともに、球団史上3度目のリーグ最高成績も確定させた。

そんななか、2000年代にサンズの中心選手として活躍したショーン・マリオンが、先日Twitterのスペース内で自身のシュートフォームについて批判されたことに怒りを爆発させた。

「アイツらは俺の馬鹿げたショットについて話してやがる。リーグで同じようなショットを打つやつはいないんだ。とっととここから出ていけ」

1999年~2015年にかけてNBAで16年間プレーしたマリオンは、キャリア平均15.2点、8.7リバウンド、1.9アシスト、1.51スティール、1.06ブロックを記録。201cm・100kgの体躯に全身バネのような身体能力を誇り、攻守万能なフォワードとして活躍した。オールスターに4度、オールNBAチームに2度選ばれた実績を持つほか、2011年にはダラス・マーベリックスで優勝に貢献している。
加えてマリオンは独特なシュートフォームの持ち主としても知られた。胸元から押し出すように放つショットは異彩を放った一方で、クイックリリースで放たれたこともあってほとんどブロックされることもなく、勝負所でもリングを射抜いた。マリオンは冒頭の件についてこう続けている。

「キャリアの一時期、俺は3ポイントを35~40%の確率で決めていたんだ。ジャンプシューターとして一貫していた。でもヤツら(自身のフォームを批判する人たち)は俺がフロアでこなしてきたことについては全く話したがらないんだ」

マリオンの3ポイント試投数はキャリア平均2.1本で、成功率も33.1%に過ぎなかった。それでも、01−02シーズンに39.3%(48/122)、翌02−03シーズンには38.7%(141/364)の確率で沈めており、当時としては上々の数字を残していた。なお、フリースロー成功率はサンズ時代の9年間で82.5%、キャリア通算でも81.0%の高精度を誇っている。
スティーブ・ナッシュが司令塔、アマレ・スタッダマイアーをセンターに据えるスモールラインナップで主にパワーフォワードを務めてきたマリオンは、以前『Hoops Hype』のインタビューで「俺はこのゲームに多くを捧げてきた。(バスケットボールの成長を)助けたと思っている。今のゲームにおいて、俺の功績は大きな部分を占めていると見ているんだ。きっとバスケットを本当に理解している人たちは、そう見てくれていると思っているよ」と言及。さらにこうも話していた。

「俺はキャリアを通じて(マイケル)ジョーダン、コビー(ブライアント)、それにレブロン(ジェームズ)もガードしてきた。ティム・ダンカン、ケビン・ガーネットといったビッグマンもそう。あとはシャック(シャキール・オニール)も2、3回ガードしなきゃいけなかったんだ(笑)。そんなチャレンジをいつも受け入れてきた。彼らをガードする時は毎回マインドセットしなきゃならなかったね」
サンズで一時代を築いたマリオンは、殿堂入り候補にはノミネートされるも、いまだに果たせずにいる。それでも、複数のポジションをカバー可能なマルチなディフェンス力は誰もが認めるところで、お手本とは言えないシュートフォームもファンに愛された。3ポイント全盛で、スモールボールが頻繁に展開される現代バスケを先取るようなオールラウンダーだったことは紛れもない事実だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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