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【SPORTS INNOVATION STUDIO】Fリーグ・小野寺隆彦専務理事「リーグの新たな価値を提供したい」

7月19日、日比谷ミッドタウン「BASE Q」にて、スポーツの価値向上を目的に開催される「SPORTS INNOVATION STUDIO(スポーツイノベーションスタジオ)」の説明会が実施された。

本プログラムにコラボレーションパートナーとして参加するFリーグは、「ファンエンゲージメントを通じた収益源の拡大」を目指し、ともにスポーツビジネスを拡大する協力企業を募る。

説明会では、一般社団法人日本フットサルトップリーグ専務理事を務める、小野寺隆彦氏が登壇し、現状のFリーグが抱える課題を語った。

「みる・する・ささえる」全てで課題がある

小野寺氏からは、Fリーグ設立の経緯、リーグの構成、観客動員数、競技の国際大会の成果などの基本情報が共有された。

競技の発展について、AFCフットサルクラブ選手権で名古屋オーシャンズが4度優勝していること、昨年の9月にAFCフットサルアジアカップで8年ぶりに戴冠し、日本フットサルの競技レベルは、2007年のFリーグ設立以降向上していることを強調した。

一方で、「競技を『みる・する・ささえる』全てで大きな課題を抱えている」とし、それぞれの観点での問題点を挙げた。

「みる」という点については、特に観客数において、F1の平均が1,109名、F2の平均が635名という数字と、2018-2019シーズンに1試合における最大観客数3,038人を更新して以降、伸び悩んでいる現状を資料で共有し「コロナ禍で多大な影響を受けている」とコメント。

また、従来のABEMAでのF1の中継に加え、今シーズンからスタートした試合配信サービス『FリーグTV powered by easysports』に言及し、「​​自分たちの映像をしっかり配信するプラットフォームは構築できている。ここから新しいビジネスや変化を生み出したい」と今後の展望を明らかにした。

続けて「する」という観点については、2036年にフットサル日本代表がワールドカップで優勝するという目標に対し、Fリーグの選手のほとんどが社会人をしながら競技を続けている状況に「ギャップがある」とし、「あくまで私の考えですが、一人でも多くのプロ選手やそれに近い契約をしてくれる選手や環境が整わないと、世界のトップに日本が立つということは難しい。改善しなければいけない」と見解を示した。

さまざまな問題を解決を目指し、Fリーグをより「ささえる」ため、昨年、一般財団法人日本フットサル連盟から独立し、一般社団法人日本フットサルトップリーグを設立した経緯があるものの、「我々、事務局のリソース不足も顕著であり、試合運営を問題なく行うことだけで手いっぱいになってしまう。もっとこのリーグの価値を提供したり、ファン・サポーターに喜んでもらえるような体制を整えなければいけない」と語った。

「みる」を軸とした、新たなコンテンツづくりへ

スポーツ庁が主体となり2020年に「INNOVATION LEAGUE(イノベーションリーグ)」としてスタートしたこの取り組みは、新たにスクラムスタジオ株式会社を共催企業に迎え、名称を変更した。

スポーツをビジネスやテクノロジーの力で活性化させることを目的に、今年はFリーグとJAF(一般社団法人 日本自動車連盟)がコラボレーションパートナーとして参加し、各々が抱える課題を解決するための技術やアイデアをもつ企業とともに、来年3月に行われる予定のデモデイでの成果発表を目指し、プロジェクトを遂行する。

過去の事例としては、一般社団法人ジャパンサイクルリーグと株式会社パナソニックが提供する音声配信サービス「CHEERPHONE」が本プログラムでコラボレーションし、実証実験を行った。この実績を元に「CHEERPHONE」はプロ野球団やJリーグクラブへの導入を広げ、スタジアム観戦の新たな楽しみ方を提供している。

Fリーグ・小野寺氏が示す方針としては、「配信を楽しむ視聴者向けの『みる』と、現地観戦者向けの『みる』、この両軸で現状、満足するコンテンツがない。一生懸命選手は戦ってくれて、それを応援してもらっているだけになってしまっている。ただ試合を観るだけではなく、ファン・サポーターが参加して一緒に楽しめるようなアイデアを実現したい」と意気込みを語った。

本プログラムへの参加を希望する企業のエントリーは7月3日からスタートしており、募集期限は8月31日までとなる。

多彩なアイデアや技術を持つ企業とともに、Fリーグが改革の一歩を踏み出す。

応募フォーム:https://forms.gle/CDTtjZ9AdP2EQGNk8
SPORTS INNOVATION STUDIO公式サイト:https://sports-innovation-studio.com/open-innovation/

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