スポーツへの女性の関心は1/2以下?有料動画から見る男女の違い

古くはスカパー・WOWOWにはじまった有料動画放送も現在ではAmazonプライム・hulu・NETFLIXなど、放送形態・値段ともに多様化していっている。

この業界内で最も大きな話題となったのはインターネットスポーツ中継サービス「DAZN」を運営するパフォーム社が、Jリーグと10年2,100億円という大型の放映権契約を結んだ件であるだろう。コンテンツの内容は各社によって様々であるが、そのジャンルによって男女の興味関心の度合いにはどれほどの違いがあるのだろうか。

有料動画コンテンツの各ジャンルの性別興味関心度

※男女各1,500人の中で、有料動画コンテンツの各ジャンルについて、それぞれ興味関心があると答えた人数

継続して見る必要がなく、また複雑な背景知識を要さずとも気軽に見られるという点で、男女ともに楽しめるコンテンツ、男性向けのコンテンツ、女性向けのコンテンツがそれぞれ充実している映画やバラエティが、男女ほぼ同数の興味関心を集めるという結果になった。男性に比べて女性の興味を引いたのはドラマや音楽/コンサート/ライブで、それぞれ男性の興味関心度を10%近く上回ったのに対し、男性の興味関心が女性より高かったのは、ニュース・ドキュメンタリー・アニメ・スポーツの分野であった。その中でも特筆すべきは何と言ってもスポーツだ。

ニュース・ドキュメンタリー・アニメの3ジャンルの男女による興味関心度の違いは10%以内であるのに対し、スポーツは男性の興味関心度が女性のそれを20%近く上回っている。“スポーツにお金を払ってまで見たい”と思っているのも、実際にその行為をしているのも男性中心であり、現時点では、女性にとってお金を払ってでも見たいコンテンツとは言えないだろう。

2016年に開催されたリオ五輪では、レスリングやバドミントンなど様々な競技において女性アスリートの活躍が目立ち、2020年に開催される東京オリンピックでも多くのメダルが期待されている。

いわゆるマイナースポーツと呼ばれるものに対しても、もともとスポーツを見るのが好きな一部の人々だけではなく、老若男女関係なしに国民全体が熱狂する。五輪開催後も熱を保ち続けるためには、選手が活躍することに加えて、観客である男女“両方”がそこに価値を感じることが必須であることは間違いない。近年では、Jリーグやプロ野球、Bリーグなどでレディースデーなるものが実施されており、女性がスポーツを見るのに適切な機会が増えてきていると言える。

それまでスポーツ観戦にあまり興味がなかった女性が、それらの機会を通して会場に足を運び、「観るもの」としてのスポーツの楽しさを実感し、それを周りの人に伝える、という一連の流れが完成すれば、今までスポーツに関わってこなかったような新たなファンの獲得が期待できる。

東京五輪まであと3年。これを機に、男女両方にお金を払ってスポーツを見るという文化が根付くことを期待したい。

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