新型コロナの影響で試合延期が多発するNBA。未感染のロンゾ・ボールが感染対策を明かす<DUNKSHOOT>

新型コロナで主力選手の離脱が相次いでいるブルズだが、ボールはここまで全試合に出場している。(C)Getty Images
NBAは今季、97%の選手たちが新型コロナウイルスのワクチンを接種して迎えたものの、12月に入って感染拡大傾向にあり、多くの選手たちが安全衛生プロトコル入りする事態に陥っている。

このプロトコルに入ると、選手たちは24時間以内にPCR検査で2度陰性反応が出ない限り、10日間の隔離を余儀なくされ、チームから離脱することになる。

現地時間12月13日(日本時間14日、日付は以下同)にはリーグがシカゴ・ブルズの2試合を延期。最近ではさらに5試合の延期が発表され、デマー・デローザンやザック・ラビーン(ともにブルズ)、ケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、チームに合流したカイリー・アービング(いずれもブルックリン・ネッツ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)といった多くのスター選手が離脱。

先日、NBAとNBA選手会(NBPA)は26日から1月8日にかけて検査数を増やすとともに、選手やコーチ、スタッフたちは試合中のベンチ待機中やワークアウト中のマスク着用に合意。さらにプロトコル入りで離脱した選手たちをカバーすべく、代替選手と契約しリーグが規定する最低出場可能選手数(8人)を確保することも合意したという。
21日には『ESPN』の「NBA Today」にコミッショナーのアダム・シルバーが出演。現在、新型コロナの検査結果で「陽性反応のうち、約90%がオミクロンになっています」と話しており、感染拡大が生じている。

だがコミッショナーは「今の時点で中断するつもりはありません」とも話しており、新型コロナと共存していかなければいけない現実を受け止め、レギュラーシーズンを継続していく意向を明かしていた。

代替選手のサラリーはチームの年俸総額ならびにサラリーキャップを超過したチームが支払うラグジュアリータックスには加算されないが、一時的な補強のため10日間契約、あるいは50試合の出場制限が解除された2WAY契約枠を埋めるための契約がほとんどだ。

フリーエージェントやGリーグでプレーしながらNBA入りを目指す若手もそうだが、アイザイア・トーマス(ロサンゼルス・レイカーズ)、ランス・スティーブンソン(ホークス)のように、GリーグでプレーするベテランがNBA復帰を飾るケースもある。
ここまで、ブルズやネッツといったチームが多数の同プロトコル入りに追われて大幅な戦力ダウンに陥ってきたのだが、ブルズではロンゾ・ボールは離脱経験がない。

ブルズはデローザンこそ復帰したものの、ラビーンは依然としてプロトコル入りしている。そういったなかでボールは新型コロナに感染していない理由を「僕が思うに、やり過ぎないことかな。僕は(試合や練習で)プレーして、すぐに家に帰っているから」と『NBC Sports』へ話していた。

ボールは今季、全29試合に出場し平均35.6分、13.2点、5.4リバウンド、5.0アシスト、1.8スティールを記録。プレータイムとスティール、3ポイント41.9%はいずれも自己ベストと、好成績を残している。
試合後にチームメイトや相手チームの選手、コーチ陣、スタッフと談笑したり、シュート練習やワークアウトによって疲労し、免疫が弱くなって感染することもあるのかもしれない。

現時点で、今季新型コロナに感染したことで重症化した選手こそいないものの、隔離によってパフォーマンスレベルが低下する可能性があることは否定できない。ボールのケースは稀かもしれないが、マスク着用や行動制限をするなどして、これ以上の感染拡大を防いでほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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