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毎週深夜まで試合 熱いベルギーアマチュア卓球事情の現場

アマチュアもシーズン中はほぼ毎週試合

さて、肝心の試合の話に戻りましょう。
チームに所属すると、試合日は全部で17。9月から4月まで、なんとおおむね毎週金曜が試合なのです。

もちろん、残業だ、子育てだ、などといって出場できなければ、チーム全体に影響が及びます。責任重大です。

さらに、ホーム&アウェイ形式なので、アウェイであれば郊外の相手クラブまで車に乗って行かなければいけません。こちら、アマチュアなんですが。。。

実際の試合はどうなっているのか。
チームは4人で構成されます。そして5ゲームマッチで相手チームと総当たり戦です。
総当たりなので、4人×4人、すなわち16試合やるんです。


写真:試合のスコアシート/提供:Takaohead

これがあくまでも愛好家・アマチュア向けの試合ですよ。恐るべしベルギー。

参加する選手たちは、もちろんお年寄りや学生もいますが、何より30代〜50代がメインな印象です。そんな現役世代たち、子育て・仕事・家庭はどうなってるんじゃい!?と、日本人的にはツッコミたくなります。

しかし、試合中はかなりガチ。応援もアドバイスも真剣。中にはレットが多過ぎてブチギレたり、接戦に敗れてラケットをぶん投げるほどの熱狂ぶりです。

試合終了はだいたい夜中まで

試合は社会人を考慮して、だいたい夜8時から。そんな時間帯から16試合もやって、ましてやフルゲームが続くと……。そうです、全ての試合が終わるのは、深夜0時を過ぎてしまいます。

そして恐るべきは、ベルギーはビール大国なので、どのクラブにもバーが併設されています。

16試合がようやく終わったら……、そりゃ飲みますよね!相手チームとの飲み会がそこから始まります。

いったい何時に帰れるのか、ご想像にお任せします(笑)。


写真:相手チームと試合後に乾杯/提供:Takaohead

卓球人口や実力は日本のほうが上だけど

しかし、大真面目に言うと、愛好家・アマチュアレベルであっても自分の実力に応じたランクが与えられ、同レベルのチームたちとホーム&アウェイでクラブユニフォームを来て、まるでプロみたいな感覚で試合がたくさんできる、というのは何とも充実して楽しいのです。

卓球人口規模と実力で言えば日本がずっと上です。
しかし、アマチュアレベルにも関わらず、九州くらいの大きさしかない小国ベルギーでこれだけの環境が揃っていることに、僕は感激しましたし、日本の現状を色々考えてしまいました。

こうしたチーム公式戦以外にも、個人レベルでオープン戦やトーナメント戦にWEBで申し込むことができます。早く上のランクに上がりたい場合は、こうした大会で少しでも格上を倒してポイントを稼ぐ必要があります。
このランクシステムがあるからこそ、自分の成績が数値に反映されて可視化され、それがまた「やり込み要素」にもなっているのです(羨ましい!)。

次回は、気になるクラブ運営はどうなっているのか、クラブ担当者に突撃します。

(第3話 に続く)

取材・文:Takaohead

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