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“元世界王者”パーソン氏が語る「強くなるために一番大切なこと」【前編】

スウェーデン卓球の現在地

——2020年10月からスウェーデン代表監督に就任されました。就任発表で「長期的な目標はもちろん中国をもう一度倒すこと」とコメントしました。どんな計画でしょう? パーソン監督:世界中の国にとって、中国を倒すことが目標。私は可能だと思ってる、だってかつて私たちは成し遂げたから。
具体的な課題は、スウェーデンでは、合宿で一緒にもっとトレーニングを重ねていきたい。 写真:アントン・ケルベリ(スウェーデン)/提供:ittfworld
写真:成長著しいアントン・ケルベリ(スウェーデン)/提供:ittfworldパーソン監督:ただ、一番大切なことは。 ——なんでしょう。 パーソン監督:信じること。中国を倒すことができる、と信じることなんだ。 80年代初頭と同じように、中国はいま、卓球のすべての面において圧倒的な存在だ。でも当時、私たちは倒せると信じていた。現在も、大事なことは同じ。スウェーデン、日本、ドイツ、それ以外の国も、中国にも勝つことができると信じることだ。

——はい。(さすがレジェンド…) 写真:ヨルゲン・パーソン/提供:ittfworld
写真:パーソン監督「大切なのは、勝てると信じること」/提供:ittfworld——80年中盤〜90年代と比べて、現在、中国と差が開いた理由はなぜでしょうか。 パーソン監督:ご存知のように、スウェーデンは小さい国。中国に勝てたあの時代は、素晴らしい選手の世代がいて、そして実力を維持していた。しかし、いつの時代もずっとトップに居続けることは難しいことなんだ。 一方、中国は、卓球が国技で人気があり、才能ある選手が多く、さらに進歩を続けている。

また、ボールの変更に伴い、卓球は大きく変わった。

より回転量が少なく、パワフルなのが今日の卓球で、スウェーデンで言えば、その変更によって、回転量と創造性を失ってしまった。この状況に早くキャッチアップしなければならない。

馬龍・樊振東
写真:中国選手たちは圧倒的な強さを誇る 樊振東(写真左)馬龍(写真右)/提供:ittfworldパーソン監督:ただ、スウェーデンの未来は明るい。ファルク、トルルス、アントン・ケルベリ、そしてクリスチャーナなど、若くて素晴らしい選手が育ってきたから。 スウェーデンも含めたヨーロッパの卓球は近い将来、良い方向に変わるだろうと思う。

マティアス・ファルク
写真:スウェーデンのエース、マティアス・ファルク/提供:ittfworld——国内での卓球人気はどうですか? パーソン監督:最近、人気が出てきてるよ。2018年の世界選手権ハルムスタッド大会で、団体銅メダルを獲ったのは大きかったね。そして、ファルクが2019年の世界選手権では決勝に進出した。90年代から2000年初頭の感じに、少しずつだけど近づいてきている。 スウェーデンにとって卓球は伝統あるスポーツだからね。とても嬉しいよ。

スウェーデン男子
写真:17年ぶりのメダルを獲得したスウェーデン男子2018年世界選手権ハルムスタッド大会/提供:ittfworld## ユニクロとのコラボレーション「とても嬉しい」

——ユニクロがスウェーデンオリンピック・パラリンピック代表チームのパートナーになり、大会公式ウエアを提供することが決まったのも、日本人にとっては嬉しいニュースでした。 写真:ユニクロのウエアを纏うマティアス・ファルク(写真左・スウェーデン)、ヨルゲン・パーソン氏/提供:ユニクロ
写真:ユニクロのウエアを纏うマティアス・ファルク(写真左・スウェーデン)、ヨルゲン・パーソン氏/提供:SOCパーソン監督:もちろん、私たちもとても嬉しかった。2000年代初頭、私は何度も日本に行ってプレーしていたから、スウェーデンでまだ誰もユニクロを知らない頃から、自分の子どもにユニクロの服をたくさん買って帰ってたしね(笑) だから、このコラボレーションが始まってとても嬉しかった。

スウェーデンの四季は変化が激しいけど、ユニクロの服はあらゆる種類が揃えてあってクオリティも高いから、とても気に入っているよ。

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——卓球のユニフォームを選ぶとき、どんな基準で選ぶ? パーソン監督:大きすぎないこと。サーブの後スムーズに戻れるように。あと、毎日違う柄にするのも好きだね。 パーソン監督
写真:真剣に、ユーモアも交えながらインタビューで答えてくれるパーソン監督/提供:ラリーズ編集部(“>>欧州のレジェンド”パーソン監督 節目の50年で語るスウェーデン卓球の現在地【後編】 に続く)

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