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現役テニス選手として後進を指導。山本ひかりが感じた、教えることの喜び

怪我をきっかけに起きた気持ちの変化。

-今は子供に指導もされていますが、どちらの方が比重としては大きいのでしょうか?

怪我はもう治っていますが、今は完全にコーチの方ですね。結構自分の中で悩む時期もあったりはしました。怪我をしてから半年間はもう辞めると周りにも言っていて、私自身大学進学を含め、いろいろな道を考えたいと思い、アルバイトをしてお金を貯めていました。でもいろいろな人に後押しをしてもらって、結局半年休んだ後に選手として1度復帰しています。ランキングも消えていたので、国内の小さい大会からじゃないと出られず、そこからやり始めたんですけど、やはりそこに自分の気持ちはありませんでした。コートに立って試合をしているはずなのに、全然身が入らなくて。むしろそれが普通という感じになってしまっていて、今までの自分と全く他人みたいな感覚になっていました。「これはもうできないな」とその試合中に思ったんです。

今悩んでいるのは、やっぱり現役を続けるのか辞めるのか、明言しないと支えてもらった人に申し訳ないということです。今は完全に指導の方に力を入れているとは言えるんですけど、選手を辞めても3年、5年後とかにまたやりたいと思うかもしれないですし、人生分からないので。だから今まで支えてくれた人にそれをどう伝えたらいいのか、悩んでいるんです。

ダブルスでペアを組む選手と話す山本ひかり

ダブルスでペアを組む選手と会話をする山本選手(右)

-選手として一番嬉しかったことを教えてください。

一番は世界スーパージュニア選手権で勝った時ですかね。満員の観客の中、センターコートで決勝を戦ったのですが、あの試合実は2セット目の途中まで負けていて、ペアを組んでいた子と「無理じゃない?こんなに人入っているのにもう終わったわ!」なんて話していました(笑)でも何かやらないともったいないと2人で決めて、最終的にタイブレークで6-8から逆転して勝てたんです。本当にドラマティックな展開で、相手の信じられないミスにも助けられ、観客のすごい盛り上がりもあり、試合が終わった瞬間の周りの歓声とか忘れられないです。

その大会で優勝して、会場にあるボードには私の名前が刻まれています。そこは今の家からも近く、レッスンの場所でもあるのですが、毎回行く度に一生残る自分の名前を見て、特に何も変わっていないのに感動して毎回写真を撮っちゃいます(笑)

-山本さんの今の目標を教えてください。

今は目の前の選手の指導に一生懸命尽くしたいです。それしかないですね。だから私は複数人に向けてレッスンはしないんです。今もシングルスの選手1人とダブルス1組にのみ、指導をしています。

あとは海外遠征の帯同をしています。そちらは遠征のノウハウを伝えるという目的です。私は高校1年生の時から海外遠征はほとんど1人で周っていましたから。他の国はジュニアとはいえコーチやマネージャー、トレーナーなども来るのでチームで周っているんです。そんな中私1人ポツン、って感じで。

飛行機も全部親が安いチケットを取ってくれて、アラブ系のどこの国かよく分からない場所で15時間トランジットすることもありました。だから私アラブ系の人の顔が怖いんですよね(笑)

山本ひかり

個人競技だからこそ、誰かの“ファン”になってほしい

-ここからは競技から離れた話も伺いたいと思います。まず、オフの日は何をして過ごしていますか?

カフェを巡るのが好きです。その中で見つけたアサイーボールを出す店の店長と仲良くなったので、土日はそこでアルバイトとして手伝いにも行っています。

あとは歌うのが好きで、テニスをやっていなかったら軽音楽部に入りたかったくらいです。それで今度趣味のバンドで歌うことになりそうです。

-ご自身で考える自分の魅力はどこだと思いますか?

行動派なところだと思います。自分のやりたいことに対してすぐに飛び込めるんです。いつも今しかできないことをしたいと思っているので。

-同性の友達にはどういう人が多いですか?

自分を持っているという点では共通していますが、それぞれ結構タイプは違っていますね。

-異性のタイプは?

見た目でいくと体が大きい人がいいです。背中の大きい人が好きなので。価値観は違っていても大丈夫です。むしろお互いの違いをネタにして、一緒に楽しい雰囲気をつくっていきたいですね。あとは頭の回転が早い人の方がいいかもしれません。

-最後に読者にメッセージをお願いします。

まずは誰か選手のファンになってほしいです。孤独な競技なので、その中で個人についてくれるファンがいることで頑張れる部分は大きいです。実力はもちろんのこと、それぞれの選手がどんな練習をして、どれだけの努力をしているかを含めて見て、応援してもらいたいです。

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