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追い風吹くアリーナスポーツ。テクノロジーの力でさらなる加速を[PR]

スマートスタジアムが解決すべき点

データや映像などのテクノロジーは、競技をより分かりやすく見せるために格好のツールである。フェンシングでは「電気審判機」が攻撃の有効性を判定し、オレンジのランプでどちらに得点が入ったかが表示される。また、モーションキャプチャーとARの技術を駆使して、剣の軌道を可視化している。このように、ルールの分かりづらさをテクノロジーを用いた演出でカバーする手段もあるのだ。

東氏は、テクノロジーを導入する上で「選手側とテクノロジー側で話を進められがちだが、観客側の視点が必要」だと捉えている。

「強い競技にお金が集まるわけではないです。僕もジャニーズのコンサートに行ったりして体感しているから分かりますけど、やはりエンターテインメントに集まってくるじゃないですか。スマートスタジアムが解決しなければいけないのはそういうところで、観客は何が見たいのか、どうすれば楽しめるのか、そこを掘り下げていく必要があって。選手の声を聞いているだけではダメですし、ただ強くなるだけではお金は集まらないということも考えるべきです」

前述したフェンシング協会の試みも含めて、競技を盛り上げるヒントは他のエンターテインメントに転がっているのかもしれない。他のエンターテインメントと比較した時に、スポーツの強みと弱みが見えてくるのではないだろうか。

[「勝つことが全てではない」]()スポーツの真の目的は何なのか。2020年には東京五輪が控えているが、金メダルを獲ることが目的なのか、それとも会場を超満員にすることが目的なのか。「それによって、スマートスタジアムに対する取り組み方も全然違ってくる」と語るのは三宅氏だ。

三宅諒氏

三宅諒氏

もちろん、勝つことで快楽を得ることを目的に、競技を続けている選手もいるだろう。しかし、東氏にとっては勝つことは目的ではなく、好きになってもらうための“手段”だという。

「勝つことが全てではないんです。それを知るために、目標を『好きになってもらう』に設定することが重要ですし、そこに向けて努力していくことも必要だと思います。現に私が引退した後にいろいろと仕事ができるのも、ハンドボールが上手いからというわけではなく、私のことを好きと言ってくれる人がいてくれて、そういった人たちと面白い仕事ができているわけですから」

勝つための議論だけでなく、好きになってもらうための議論を。議論の内容はもちろんだが、矛先を意識することも重要である。

日本のスタジアムは、欧米に比べるとスマートスタジアム化は進んでいない。裏を返せば、方向性次第でいくらでも伸び代があるということだ。テクノロジーは今後、選手と観客をどのように結びつけていくのだろうか。

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