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「優勝するならプレーオフで!」 何でも楽しむ24歳がワクワクドキドキの初栄冠【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

宣言通りプレーオフで初優勝!(本人提供)

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

昨シーズンの賞金女王はプレーオフ負けなしです!【アワードフォト】

「やった!プレーオフだ!」。ツアー未勝利。24歳の中嶋千尋は、2メートルのパーパットを沈めた瞬間、そう、心を躍らせた。「優勝するならプレーオフ」。プロになって3年、ずっとそう思い続けてきたからだ。

優勝した瞬間に、池があったら飛び込みたい。一度、冷静になってスコアカードを提出しなくてはならない普通の優勝では、すぐに勝利の美酒に酔うことはできないからイヤ。だからプレーオフで勝ちたい。ずっとそう思っていた。

夢の中では、何度もプレーオフでの優勝を経験していた。夜中にガッツポーズで目が覚めたことも1度や2度ではなかった。

米ツアー挑戦を心に誓い、練習にも気合が入るオフシーズンを過ごして迎えたプロ3年目の1988年6月。長岡CC(新潟県)で行われたダンロップレディス最終日を、中嶋は2打差単独首位で迎えていた。だが、3つスコアを落としてトータル3オーバー。18番を迎えたときには、吉川なよ子、山田満由美、劉素卿に並ばれていた。

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