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ダウンで頑張ると、インパクトでは疲れてしまう!? 西郷真央のスイングはその正反対【優勝者のスイング】

西郷真央のように、インパクトからフォローにかけての力感が飛距離につながる

伊藤園レディスで1年6か月ぶりの勝利を飾った西郷真央。昨季は開幕戦で初優勝を挙げたのち、出場10試合で5勝と、女子ツアーの5勝達成最速記録を塗り替えた。しかし、後半戦にかけて調子を落とし、最終戦では2003年以降のワーストとなる通算35オーバーと不甲斐ない記録も作ってしまった。

その西郷について、「昨季終盤、不調の原因となったのはドライバー。右へのプッシュを嫌がってボールをつかまえにいってスイングを崩してしまった」と見るのはプロコーチの南秀樹。通算6勝目となった伊藤園レディスでのフェアウェイキープ率は、39/42とほぼ完璧な内容に。課題を克服しカムバックしてきた西郷のスイングから、われわれが参考になるポイントを教えてもらった。

「トップがややコンパクトになって、いい意味で体の動きが抑えられています。トレーニングの効果が出ているのでしょう、軸がすごく安定しています。ですからインパクトでアジャストするような動きが一切なく、フォローでしっかりクラブが加速しています」と、西郷のスイングを分析する南。そして、われわれが参考にしたいことに、このクラブの加速を挙げた。

「ヘッドスピードなりの飛距離が出ないと悩んでいるなら、その原因はダウンスイングを一生懸命に振り過ぎていることが考えられます。ダウンで力を使い切った結果、インパクトでは力が抜けて、フォローでクラブが減速。これでは効率良く飛ばせませんよね」。

まずはスイングする力感を決めることから始めよう。「10ある力を10使ってスイングすれば、バランスを崩してデタラメなスイングになってしまいます。もちろん、出球もコントロールできません。7か8か、フィニッシュでしっかりと立っていられる力感を覚えてください」。

次にクラブを逆さに持ったらインパクトの形を作り、そこからフォローを全力で速く振ってみよう。「バランスが保てる範囲で、インパクトからフォローまで全速力で振ってみてください。そこからダウンスイング、切り返し、バックスイングと付け足していきます。このスピードのフォローを出すには、それぞれのポジションでどんなスピード、力感になっているのか、素振りを繰り返し体に覚え込ませます」。

つまり、スイング中に全力になるポジションはインパクトからフォローにかけてのゾーンであり、そこで力を出すにはどんな準備をすればいいのか、明確にすることが大切というわけ。このスイートスポットを速く振れてこそ、ヘッドスピードなりの飛距離が出せるのだ。

この素振りでは、正面に姿見をセットできれば、首の太さくらいの太い軸を意識しながら、「ドーン!」とゆったりとした体の回転スピードをイメージするのも効果的。ダウンでは右腰をターゲットに出していくようにすると、体がスムーズに回転しやすくなるだろう。

南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属

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