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「プロテストに比べたらなにも緊張しなかった」 高木優奈は楽しさかみしめながらQT突破

最後もこの笑顔。高木優奈はQTがただひたすらに楽しかった(撮影:福田文平)

<JLPGA ファイナルQT 最終日◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部宇刈コース(静岡県)◇6421ヤード・パー72>

これまで6年間跳ね返されてきた壁を乗り越え、正会員の“プロ”としてファイナルQTに来れたことだけでも、高木優奈はうれしかった。「どんな結果でも、試合に出られると思ったらそれだけでいい。だけど、やっぱりレギュラーに出たいという気持ちが強くあった」。プロテストに合格したばかりの“ルーキー”はQTランク15位につけて、来季レギュラーツアー出場を決めた。

2019年からTP単年登録でツアーに出場し、同年の下部ステップ・アップ・ツアー「ANAプリンセスカップ」で初優勝。統合となった20-21年シーズンには45試合に出場し、“黄金世代”を引っ張るひとりとして名を上げた。だが、22年にその制度は廃止され、QTに出場するためにはプロテストに合格することが必要に。その実力は折り紙付きだったが、プロテストでは涙をのみ続け、試合に出場することはできない日々を長く過ごした。

これまでのもどかしさや悔しさを考えれば、来季職場をかけたQTという緊迫した舞台に再び立てたことに“うれしさ”すら感じる。「プロテストに比べたら、なにも緊張しなかった。ひたすら楽しかったです」と声を張り、笑顔で4日間を駆け抜けた。

久々にバッグを預けた鴨川裕行キャディとの72ホールも、心躍る時間だった。「2年前から何回か担いでもらって、プロテストに受からない間も気にかけてくださった。鴨川さんとタッグを組んで4日間試合ができたことが、なによりも楽しかった」。信頼するキャディと一緒につかんだレギュラーツアーの切符。喜びもひとしおだ。

来年を見据える前に、次週は「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」が控えている。「1回しかない。試合は勝ちたい」。貪欲な25歳のルーキーは、次の試合が待ち遠しい。(文・笠井あかり)

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