飛ばし屋同士は馬が合う? 櫻井心那が灼熱の兵庫でV戦線キープ

櫻井心那がナイスカムバックで上位を堅守した。(撮影:鈴木祥)

<楽天スーパーレディース 2日目◇28日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)◇6636ヤード・パー72>

飛ばし屋同士は好相性!? 4位タイからスタートした櫻井心那は途中、トリプルボギーがありながらも「69」とスコアを伸ばし、首位と3打差のトータル8アンダー・8位タイとV圏内に踏みとどまった。

予選2日間はドライビングディスタンス1位の神谷そら、同2位の穴井詩、同5位の櫻井という飛ばし屋ばかりのグルーピング。神谷、穴井もトータル6アンダーの19位タイと好位置につけ、そろって「同じぐらいの飛距離の選手ばかりだと回りやすい」と話した。

「このコースはボギーでも結構ダメージがあるのに…」。櫻井がまさかのトリプルボギーを叩いたのは後半出だしの1番パー4だった。ティショットを右サイドにOBとすると、打ち直しの3打目も右へ。これはラフに残ったものの、4打目はグリーンに乗せるのが精いっぱい。15メートルから3パットで一気にスコアを落とした。

「2位だったかな? かなりいい位置にいて、ここからというところでトリだったので、もう気持ちが追いつかなくて、結構引きずっちゃいました。2番の2打目を打ったぐらいで吹っ切れて“取り返すぞ”みたいな気持ちになれました」

実際に取り返せるのが、櫻井の強いところ。4、6番でバーディを奪うと、8番パー3は175ヤードを7Iで2メートル、最終9番パー4は残り112ヤードを52度のウェッジで3メートルにつけ、連続バーディで締めくくった。

ツアーで指折りの飛ばし屋だけに、普段は2打目を最後に打つことが多いが、この2日間は最初に打つことも少なくなかった。これについて櫻井は「他の選手の2打目を待つよりも、考える時間が少ない。今週は暑いので、それが良かったのかもしれません」。いつもとは違うプレーのリズムが好スコアにつながったという。

これは同組の2人にとっても同じ。神谷は「自分が最後だと、待っている間にボールのところまで行けないケースもあって、逆に時間がなくて焦ってしまうんです。飛距離が一緒だと、そういうことがないのでいいですね」。理由は櫻井と真逆にも思えるが、やはりプレーはしやすかったとのこと。穴井も「同じぐらいの飛距離だとプレーのリズムがいい」と振り返った。

櫻井は昨年6月、兵庫で行われた「ECCレディス」でステップアップツアー初優勝。ここから計5勝を挙げてステップの賞金女王に輝いた。「兵庫で予選落ちもしているので、相性がいいとまでは言えないけど、やっぱり初優勝の印象は強いですね」。今大会でレギュラーツアー2勝目を飾れば、“兵庫で強い櫻井”というイメージが定着するはずだ。(文・田中宏治)

関連記事