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マナーが大切なのはプロもアマも同じ【原田香里のゴルフ未来会議】

小林正則のプレーを静かに見守るギャラリー(撮影:上山敬太)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。11人の日本選手が出場した先週の全米シニア女子オープンには大きな刺激を受けましたね。

ベストフィニッシュは福嶋晃子さんの14位タイでしたが、7人が予選を通過して4日間、プレーすることができました。みなさんの元に届くニュース以上に、私たちプロ仲間の間では話題になりました。近い世代の選手たちにとっては大きな目標になっています。何歳になっても目標を持って努力を続けるという姿勢は本当に素晴らしいと思います。結果はもちろん、出場している選手たちのSNSなども、大会の良さを伝えてくれています。
 
さて、今週はプロにもアマにも大切なマナーのお話をしたいと思います。プロだけの試合、アマチュアの方と一緒の試合、そしてプロアマと、様々なお仕事でプレーする機会がある私たちプロは、本当にたくさんの方と一緒にプレーをします。そんな中で、他のプレーヤーを見て気付いたこと、かつての自分を振り返って反省したことなどがあります。
 
プロにもアマにも同じように言えるのが、プレーファーストと、一緒に回っている人をよく見てお互いに気持ちよくプレーできるようにすること、という基本的な2つのマナーの大切さです。
 
まず、プレーファーストは一緒に回っているひとみんなのペースを守ることはもちろん、前の組から遅れることのないようにしっかりと意識したいものです。まちがっても日没に引っかかったりすることのないように…。
 
試合となると、プロでもアマでも慎重になるのは当たり前ですが、少なくとも自分の番が来る前に打つ準備を整え、テキパキと動く。カートでプレーしているのなら、ボールの行方次第でクラブを数本持って歩いたり、臨機応変に対応する。など、というのは競技に出ている人ならわかっているはずです。
 
また、誰かがアドレスに入ったら、静かにする。というのも基本中の基本です。ツアーでは、ギャラリーのみなさまにもそのことをお願いしているのですから、同伴競技者が静かにするのは言うまでもありません。ところが、これが意外にもできない方が多いのが残念なところです。試合の高揚感や、緊張など、いつもとは違うテンションになってしまうからかもしれません。
 
でも「また一緒にプレーしたい」と、相手に思ってもらえるゴルファーになることを目標に、ぜひ、その辺りを改めて見直してみてください。もうひとつ、自分のゴルフがどんなに悪くても、不機嫌さを周囲にまき散らさないことも大切です。ゴルフは自己責任のスポーツです。人のせいにしない、キャディーさんのせいにしないのは当たり前。どんなに調子が悪くても、一緒に回っている人を不愉快な気持ちにさせるのはいいこととは思えません。
 
このあたりについては、現役時代の自分を振り返ると、いつも「怖い、怖い」と恐れられていたので、ちゃんとできていただろうか、と反省する部分ではあります。例え試合であっても、周囲に不機嫌をまき散らしていいというものではありません。笑顔はムリだとしても…。
 
今年も、様々なイベントに参加させて頂いていますが、最近では群馬県でのプロアマ『東毛企業withシニア女子プロ交流チャリティゴルフ大会』でプレーしました。2回目の今年はさらに盛り上がっていました。昨年優勝したことは、以前このコラムでもご報告しましたが、今年はプロアマの規模も大きくなっていてうれしくなりました。
 
様々なイベントにお声をかけていただけるのは、私たちプロにとってもうれしく、ありがたいことです。行く先々で、プレーそのものだけでなく、マナーと言う点でもゴルフのいいところを広めたいと思っています。ときにはアマチュアの方に声をかけることもあるかもしれません。それもみなさんと楽しくゴルフをするための、プロゴルファーの大切な仕事だと思っています。
 
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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