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川崎春花が“お一人様ラウンド”で脅威の3時間切り 夢舞台での苦い記憶は「いつか笑い話にできるように」

「イェイ!」(撮影:福田文平)

<AIG女子オープン 最終日◇13日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
 
予選通過者で最下位となるトータル13オーバーの73位で最終日に入った川崎春花は、普段のトーナメントとは違う雰囲気を最後に味わった。

全英女子の決勝ラウンドは2人1組で回る方式だが、決勝進出者は割り切れない73人。第3ラウンド終了後に発表されたペアリング表を見ると、73位の川崎は1人でプレーすることになっていた。実際は会場になったウォルトン・ヒースGCに関係している32歳のプレーパートナーがいたため、気ままな一人旅というわけではなかったが、「(同伴競技者が)すごくいい人でした」と、和やかなムードが続いた。
 
驚異的だったのが、そのラウンド時間。現地午前7時55分に1番ティからスタートし、最終18番を終えたのは10時50分過ぎ。「2時間55分!」と笑顔で胸を張るプレーファストぶりだった。「前半は(83を叩いた)昨日の流れが残っていて…」と1番でボギー、2番でトリプルボギーを叩くなど苦戦ムードも続いたが、「やっとゴルフになった」という後半の16番、17番で連続バーディが来て一安心。トータル17オーバーの73位で終えた。
 
「小さいころから全米と全英にはいつか出たいと思っていた」。今年は、そんな夢を一気に叶える年になった。「去年の今頃は想像できなかったことを経験できていて、今後に生きていくというか、生かせるようにしたい」。両方とも予選を通過し、4日間を戦い切った。
 
「予選通過できてよかったけど、『83』も打ったのはこれからも記憶に残る。いつか笑い話にできるようにしたいですね」。酸いも甘いもかみ分けることになったが、メジャーの舞台を踏まないままキャリアを終える選手も少なくない。それを20歳で経験できたことは、今後にもつながる。
 
この後は帰国し、すぐに18日開幕の国内女子ツアー「CAT Ladies」(神奈川県・大箱根CC)に出場する。秋の陣では、連覇を目指す「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」など国内公式戦も続く。今年は未勝利で、夏場に3試合連続予選落ちを味わうなど、なかなか調子が上がってこなかった。しかし、「北海道meijiカップ」で3位に入り、自信もよみがえってきた。
 
「(全英の)結果はあまりよくなかったけれど、自信はそんなに失っていないので、これから秋にかけて徐々に成績を上げていきたい。あとは優勝目指して頑張ります」。今振り返ると「気負いすぎていた」というメジャー大会だったが、最後は元気いっぱいに「イェイ!」で締めくくる。笑顔で帰国し、再び主戦場での争いに身を投じる。(文・間宮輝憲)

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