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来年“パパ”になる稲森佑貴がプレーオフを制し今季初V 次戦は3度目の日本一かかる1戦

奥様と一緒にトロフィーを掲げる稲森佑貴(撮影:佐々木啓)

<ACNチャンピオンシップ 最終日◇8日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7295ヤード・パー72>

 “日本一曲がらない男”、稲森佑貴がソン・ヨンハン(韓国)とのプレーオフを制し、今季ツアー初優勝、通算5勝目を挙げた。

7バーディ・1ボギーの「66」をマークし、トータル17アンダーでクラブハウスリーダーとして後続のヨンハンを待った。これまでプレーオフを経験したことがなかった稲森は心臓がバクバクだったという。練習グリーンでパッティングを行うも緊張感はMAX。そんな姿を察した野村拓矢キャディが「プレーオフを楽しもうという感じで気持ちを上げてくれた」おかげでポジティブに挑めたという。

ヨンハンが最終18番のバーディパットを外し、プレーオフが確定。稲森にとって初の勝者決定戦は1ホールで勝負が決まった。1打目、稲森は安定のフェアウェイキープ。ヨンハンは右のバンカーにつかまった。一度フェアウェイに出して、グリーンを捉えるもパーパットが決まらずボギー。一方で稲森は2打目を190ヤードの位置から5番アイアンで「右のバンカーOKな気持ち」でグリーン右サイドからのドローボールで狙った。言葉通りグリーン右のガードバンカーに入るもピン1メートル強に寄せてパー。ウイニングパットを決めると、両腕を大きく上げて野村キャディと抱き合った。

野村キャディは2020年の「日本オープン」、22年「中日クラウンズ」で優勝をともにし、これでタッグ3勝目。「本当に彼は僕の扱いが慣れているなと思います。親のような感じだったので(笑)。昨日はダボスタートでしたけど気持ちを上げてくれたのが野村キャディだったし、プレーオフを楽しもうといってくれたのも野村キャディだし、距離のジャッジとか番手ジャッジも頼もしい」と涙を流した今季初優勝には野村キャディの存在が不可欠だった。今週は「パーでいこう」をテーマに、稲森の気持ちをずっと上げてくれていた。

これで賞金ランキングはトップ10圏外から7位に浮上。次戦の「日本オープン」は過去に2度優勝しており、歴代覇者として「大好きなので日本オープンにこの優勝を繋げていけたらいいかなと思います」と勝ちの姿勢を示した。20年大会と同じく野村キャディとタッグを組み、ナショナルオープン3勝目に挑む。

喜びにあふれた会見では、さらにうれしい報告もあった。20年に結婚をした美穂さんとのあいだに第一子を授かったという。「安定期にも入り、妻はある程度動いているほうがいいということで病院の先生にも相談したら、ゴルフの観戦が向いているというとで、体の様子を見ながらですが歩いています。順調に行ってますね」。出産予定時期は来年3月とのこと。パパさんプロゴルファーの仲間入りとなる。生まれてくる子どものためにも今季の残りはより一層の気合を入れていく。(文・高木彩音)

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