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盛り上がりたいのは分かるけど… 加熱するフェニックスOPに選手からは怒りの声も

コスプレだけならかわいいが…(撮影:GettyImages)

<WMフェニックス・オープン 最終日◇11日◇TPCスコッツデール スタジアムC(米アリゾナ州)◇7261ヤード・パー71>

大会スポンサーのウェイスト・マネジメント(WM)と契約する47歳のチャーリー・ホフマン(米国)が大きくスコアを伸ばし、単独首位でホールアウトした最終日。その後ニック・テイラー(カナダ)の猛烈な追い上げにあってプレーオフのすえにテイラーが優勝する結末に、会場は大いに盛り上がった。

この日も大勢のギャラリーが詰めかけたが、今大会の大騒ぎには“いきすぎ”との見方も出てきている。年一回、アリゾナで開催される一大イベント。早朝から入場ゲートは人であふれ、恒例となった開場の際のファンのダッシュで一気にボルテージが上がる。試合お構いなしにビールやカクテルを両手に抱え、“少々”酔いすぎたファンが選手のプレー中でも怒号を発するなど、確かにプレーに影響が出る場面もしばしばだ。

16番の名物パー3は四方を大スタンドに囲まれ、数万人が観戦することでも知られ、選手のショット中、パット中でもさながらコンサート会場のような雰囲気だ。観客をあおってこれを楽しむ選手もいれば、中にはしかめっ面をする選手だっている。

グリーンにビール瓶や紙コップ、プラスチック容器などあらゆるものが投げ込まれ、プレーが中断することも過去にはあり、運営側は手を焼く事態が毎年のように発生している。今年はついに、女性がスタンドから転落する事故も起きてしまった。

大会中、多くの動画もSNSに投稿された。中にはスイング中にもかかわらず怒鳴り声が聞こえるものも。これに対して選手が「プレー中は静かにしろよ!」とファンに激しい口調で抗議する場面など、およそ今までのゴルフの試合とは思えないほどの異様な盛り上がりは、果たして“アリ”なのかという論争が起こっている。

ファンあってのプロスポーツではあるが、プレーを妨害するような行為は許されるものではない。今年はアルコール類の販売を一時停止し、土曜日は入場規制も実施。今回の実態をうけて、運営側の具体的な発表はないが、いったい来年はどうなるのか。

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