愛犬2匹に手土産を! 道産子・内田ことこが大逆転初Vへ

北海道に凱旋となるか? 20歳・内田ことこが5打差を追いかける。(撮影:佐々木啓)

<ブリヂストンレディス 3日目◇20日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>

ツアー未勝利の20歳・内田ことこが7バーディ・1ボギーの「65」で回り、第2ラウンド終了時点の21位タイからトータル7アンダーの6位タイへと大きく順位を上げた。今季はここまで11試合に出場して、予選落ちが8回となかなか結果が出ていなかったが、本人の中では先週から上り調子。昨年10月以来となるトップ10入りはもちろん、首位とは5打差と初優勝の可能性も広がった。

2002年生まれの内田は今季絶好調の岩井ツインズ(明愛、千怜)と同い年。2020年度のプロテスト(コロナ禍で延期となり開催は2021年)で一発合格を果たした同期でもある。

昨季はメルセデス・ランキング62位で初シードを逃がしたが、何度か上位争いを経験。2018年「北海道女子アマ」優勝、2019年「日本女子アマ」10位タイなど、アマチュア時代に輝かしい成績を残しており、初優勝が期待される選手の一人だ。本名は漢字で「琴子」。JLPGAの会員にすでに同姓同名の「内田琴子」がいたため、登録名を「内田ことこ」としている。

この日は序盤の2番パー3でバーディ先行。「8番アイアンで3メートルにつきました。あのバーディでいい流れに乗って行けたと思います」。前半はさらに2つ取って3バーディ。折り返しの10番をボギーとしたものの、後半も4つとラウンドを通じてバーディを量産した。

今季は調整十分で開幕を迎えたはずだったが、結果が出ない日々が続いた。2週前のメジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」ではついにショットの調子が崩れたが、「そこから自分でスイングを考えて修正しました。スイングを変えたというより、戻している感じです」。一番のチェックポイントはテークバックをオンプレーンに上げることにあるという。

先週からショットは手ごたえを感じており、「今日はアイアンショットの感覚が良かったです。テークバックを意識したことでリズム良く回れたと思います」。第3ラウンドのパット数「25」は西村優菜の「24」に次ぐ2位タイ。久々にショットとパットがかみ合ったことが、ビッグスコアに繋がった。

現在も北海道を拠点にツアーを転戦しており、シーズン中はどうしてもホテル暮らしが長くなる。「最後に家に帰ったのが『フジサンケイレディス』(4月)の後。この試合が終わったら久々に帰ります。日曜日に帰って、月曜日の夜には移動なので一瞬なんですけど、今は家に帰れるという思いだけで頑張っています」。一番の楽しみは自宅で待つ2匹の愛犬に会うことだ。

「今日と同じようにテークバックを意識し続ければ、悪い結果にはならないと思います」。マルチーズとトイプードルのミックスと、マルチーズとシーズーのミックスだという愛犬2匹。初優勝という最高のお土産を持って、およそ1カ月ぶりの再会となるのだろうか?(文・田中宏治)

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