「しのいでしのいで…」 渋野日向子を週末へ導いたナイスセーブ

16番パー3ではグリーンを外すも、思い切ったアプローチでパーセーブした(撮影:福田文平)

<アムンディ・エビアン選手権 2日目◇26日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
 
4月末の「JMイーグルLA選手権」以来、日米を合わせて6試合ぶりの予選通過を決めた渋野日向子。「めっちゃうれしい。超うれしい」と振り返るが、その内容はハラハラドキドキの展開で、数々のナイスセーブをみせた一日だった。

たとえば、1バーディ・2ボギーで迎えた8番パー3。初日はおよそ20メートルから3パットのボギーとしていた。この日もティショットがグリーンに直接着弾するも止まらず、奥のラフへ。ふわっと上げた球は3メートルオーバーしたが、これを決めてパーをセーブした。
 
後半に入ると、直後の10番では右ラフからユーティリティで転がして花道に運ぶと、1メートルに寄せてパー。11番では手前カラーからパターを選択し“2パット”に収めた。
 
そして、13番でチップインバーディ、14番をボギーとして迎えた16番。手前に池が構え、右手前から左奥へとグリーンが斜めに長くなっているパー3で、きょうのカップは左奥に切られていた。そのさらに左側は傾斜で落ちていくような状況のなか、渋野のティショットはグリーンの左にこぼれる。だが、ここからナイスセーブをみせた。
 
球がカート道に止まっていたため救済を受けると、「ちょっと沈んでいるかなと思ったけど、左足上がりだったしいいかな」とライを判断。そして「ピンの奥をいっても(傾斜で)戻ってくるから大丈夫だろうと思って、勢いよく打ちました」と、2.5メートルピンをオーバーさせて、これを決めた。
 
午後組で風が強く吹くコンディション。この日のパーオンは18ホール中8ホールと苦しんだが、ボギーの数は3つに収めた。「きょうは大叩きしてもおかしくないくらいの難しいところに行っていたりとか、微妙なパットが多かった。なんとかしのいでしのいでというゴルフ」と振り返る。
 
ずるずると引きずるような“連続ボギー”もなければ、ダブルボギーもなかった。「集中力がプチンと切れたら終わるなと思ったけど、最後までボギーを打とうが、切り替えてできたのが大きかった」。そのぶん、3メートルほどのチャンスのバーディパットを「多々外していた」と2つにと留まった『バーディ数』を悔やむが、「なんとかパーパットが入ってくれたのでひと安心」。耐えて耐えて、そして手にした予選突破には胸を張れる。
 
久々の週末では、自分の取り組んでいることにフォーカスするつもりだが、「予選落ちとか通過を気にしなくてよくなったぶん、もうすこし気楽にできるかな」と、少し攻めの姿勢も見せていくつもり。耐えた一日を乗り越え、あすは大爆発のムービングデーにしてみせる。(文・笠井あかり)

関連記事