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お手本は稲見萌寧!グリーンを外さない「分厚いインパクト」はハーフトップが打てるかどうか【優勝者のスイング】

4日間のパーオン率は94.4%(68/72)、グリーンを外したのはわずか4回と、圧倒的な数字を残した

首位と1打差で出た最終日に、4バーディ、1ボギーの「69」をマークし米ツアー初優勝、日本ツアーでは今季初V、通算13勝目を挙げた稲見萌寧。2位に1打リードで迎えた最終18番もティショットをフェアウェイに運ぶと、セカンドも果敢に攻めてバーディチャンスにつけた。「最後までショットが良かったですね。前半戦の調子が上がらなかった頃と比べ、スイングスピードが上がっていて、切り返しの粘りが出ています。勝負どころの18番、右のピンに対し、右には外したくない状況での、あのショットは素晴らしかったです」というプロコーチの南秀樹に、われわれも参考になるポイントを解説してもらった。

2019年にパーオン率78.21%をマークし、ツアー記録を塗り替えたショットメーカー。今大会も4日間のパーオン率は94.4%(68/72)、グリーンを外したのはわずか4回と、勝者にふさわしい数字を残している。その要因を「インパクトが安定していてぶ厚い。これならドライバーは距離が出るし、フェースにボールが乗るからアイアンでの縦距離もコントロールしやすい」と分析する南。

飛んで曲がらない“ぶ厚いインパクト”は、誰もが憧れるもの。どうすれば真似できるのか?

まずは厚いインパクトには欠かせないダウンブローのおさらいから。「ダウンブローはクラブの入射角で作るものではなく、ヘッドが最下点を迎えるよりも先にヒットすること。打ち込む必要は一切ありません」と、“ダウンブロー=上から入れる”ではないことを覚えておきたい。

その上で、ハーフトップを打つ、ヘッドを開放する、2つの練習を行いたい。

「ヘッドを浮かせて構えてボールの赤道を打ちます。ボールは上がらずトップ球でOK。その打点が安定してきたら、次はヘッドを開放していきます。目標にヘッドを出していくように、右手首を伸ばしヘッドを放り投げるように、遠心力が感じられれば合格です」。つまり、ボールの赤道を打っても、ヘッドを開放し低く出していくことができれば、ダウンブローとなってボールが浮いてくるわけ。はじめはトップ球でもボールが浮いてくれば、スイングが良くなっている証拠だ。

この感覚はシャフトの柔らかいレディスクラブや練習用のクラブを使うとわかりやすい。「ボールの赤道を打ってトップになるのは、ヘッドファーストになっているのが原因。ヘッドがしなり戻って、打つ前に最下点を迎えているんです。シャフトがしなり戻るよりも先にインパクトするにはハンドファーストにする必要があり、柔らかいシャフトを振ると、その感覚がつかみやすいんです」。

さらに「インパクトのぶ厚い感触は、インパクト後に訪れる」と南。アイアンを握ってしっかりヒットしたいと思い、ボールと同じか、やや下にフェースを入れようとするのは大きな間違い。ヘッドとボールがコンタクトするのは、ボールの赤道。そこからボールを押し、フェースに乗せることでインパクトの感触が得られるという。まずは意図的にハーフトップを打つことから始めてみよう。

南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属

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