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ショットに手応え感じた最終日 渋野日向子、浮上のカギはパーオン率の向上

渋野日向子、浮上のカギはパーオン率(撮影:ALBA)

<CPKC女子オープン 最終日◇27日◇ショーネシーG&CC(カナダ)◇6685ヤード・パー72>

カナダのナショナルオープンに挑んだ渋野日向子はトータル5オーバーの50位タイで4日間を終えた。初日を3オーバーとし出遅れたのが響き、上位進出とはならなかった。4日間で一度もアンダーパーを記録できずにもどかしい大会となったが、課題が見えたという点で収穫もあった。

初日はフェアウェイを捉えたのが8ホールのみとティショットに苦しんだ。グリーン周りが難解で、グリーン上は周囲に流れ落ちるように傾斜が下り、ラフからのショットはグリーンに乗っても転がり落ちるという場面が何度もあった。この日のパーオンは11回。ラウンド後には「よかった点が出てこない」と暗い表情で振り返り、怒りをあらわにした。

フェアウェイを捉えたとしてもそこからグリーンを外すシーンもあり、特に距離の長いパー3でも苦戦した。乗せても3パットのボギーなどいい流れをつくれない。もどかしいプレーは2日目も続いた。前半はしっかりとグリーンを捉えるショットを連発し3バーディ。ところが一つのミスをきっかけにズルズルとスコアを落としてしまう。傾斜を転がり落ちる場面や、長い距離のパッティングを寄せきれずにボギーと、残念な気持ちが増幅する。

フェアウェイキープ率は12回と初日から改善し、パーオンも13ホールと決して悪くはない。それでもかみ合わないプレーが続くのは、自信を持ってプレーができない不安からくる。「何かがよければ何かがダメ」。なんとか予選は突破したが、3日目はパッティングがカップに届かず、オーバーパーから抜け出せずに練習場へと向かった。

ほんの少しグリーンを外しただけという場面でも、アプローチが寄らない。パッティングが打ち切れないと悩みは尽きない。ショットについてもフォロースルーで手を離すシーンも目立つ。いらだつ気持ちをぶつけた練習では、じっくりとショットを確認し、ラフからのアプローチで新打法を編み出し、パッティングでは打ち出し方向を確認する基本を忠実に見直した。

「アンダーパーを出したい」とスタートした最終日は、終わってみれば「前向きに捉えていいと思う」と見違えるようにショットが安定。1番から立て続けにバーディチャンスを生み出した。2番で幸先良くバーディを先行させたが、その後は惜しいパッティングで次のバーディが来ない。ガマンしきれずに8番でボギーが来たが、3日間連続でボギーとしていた9番で「バーディを取りたかった」とリベンジに成功。その後はボギーとバーディを繰り返した。

4月の後半以降は左手の痛みで十分な練習ができなかった時期もあり、心身ともに落ちる日が続いたのかもしれない。それでも地道に「やっていることをやり続ける」姿勢を変えることはない。以前から「パーオン率を上げたい」と話している。最終日の前半のようにグリーンを捉え続けるプレーができれば、あとはかみ合わせの問題ともいえる。

3日目、最終日もパーオンはいずれも11回と少ない。今季は「64」というビッグスコアを2度マークするなど、特にシーズン序盤は60台を連発した。まずは4日間通して72ホール中46ホールと苦しんだパーオン率の向上が、後半戦のカギを握ることになりそうだ。

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