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米国人気モデルが日本仕様で逆流! USTマミヤ『LIN-Q ブルー EX』を【打ってみた】

『アッタス』シリーズで有名なUSTマミヤが、都内の練習場で新製品を発表した。お披露目されたのは、中元調子の『LIN-Q(リンク)ブルーEX』で10月6日に税込55,000円で発売する。同社マーケティングの吉澤氏は「リンクは2019年からアメリカでPGAツアー用に開発したブランドで、これを日本にも投入する」と言う。
 
2019年に国内男子ツアーでもアンジェロ・キューがいち早く使用し話題になったが、今季のPGAツアーで『LIN-Q』は既に3勝し、トップ5が11回、トップ10も24回。下部ツアーでも複数勝利するなど海外ツアーの実績も十分で、リッキー・ファウラーがFWに『LIN-Qホワイト』を使用する他、コーリー・コナーズ、ゲーリー・ウッドランド、アーニー・エルスらハードヒッターが好むのだとか。
 
米国にはレッド・ブルー・ホワイトの複数ラインナップがある中、日本導入の第一弾に選ばれた『ブルーEX』は「素材が米国のモノと異なり、高級素材(トレカT1100G/同M40 X)をふんだんに使用した中元調子」とのこと。キーテクノロジーはグリップ部近くに入った潰れに強い【Qプライコア】で、これが入ると「潰れや違和感を抑制してスムーズな切り返しを実現する」と説明する。
 
同じ中元表記の『アッタスDAAAS』比較だと手元剛性は低く、グリップ下からセンター部の広範囲と、先端剛性が高い仕上がり。そのためターゲットは「スコアはそこそこでも、ドラコンだけは絶対に獲りたい!というような思いきり振りたい人。上手くなりたくて競技に参加する方など、そもそもヘッドスピードが速い人向け」となる。
 
ややエンジョイ系向けのイメージもあって幅広く選べるこれまでの『アッタス』と異なり、『リンクブルーEX』は低トルクが特徴で、「潜在能力を引き出して、ぶっ叩ける、飛び系の中元調子」は、完全にアスリート寄りの位置づけだ。
 
“振り心地と弾道がリンクする”がコンセプトで、東レのトレカT1100Gを全長に使ってダウンスイングからインパクトまで横方向のブレをなくして安定感を生み出し、先端に入ったトレカM40 Xでインパクトの押し感も強く、飛距離アップできます。また、振り抜きの部分でも全長に入ったT1100Gが効いて方向性を高めてくれるほか、【Qプライコア】の効果でシャフト全体のフィーリングが非常によくスピードがボールに乗って飛ぶ形となります」(同社)
 
素材などの小難しい説明はさておき、実際に打つとどう感じるか? 中元調子が大好物な記者(HS50m/s弱のローフェーダー・Tour AD UB-6Xを使用)もPING『G430LST』の9°に【5S】を入れて打ってみた。初球から「これが中元の5S!?」と思うほどしっかりで、しなりや“間”を感じずに一気にフィニッシュまで高速で振り抜けた。ただ「硬い」というわけではなく、「勝手にスピードが出てしまう、高くていい素材が使われたシャフト特有のフィール」と言って伝わるだろうか……。
 
準備体操もせず、軽く置きにいった割には、かなりのスピード感で一気に振り抜けて驚く。高MOIかつやや重めのヘッド、全く振らずにこのスピード感とは……、これが【Qプライコア】の効果か。弾道は持ち球通りのローフェードでスピンは約1860回転と、フェードでもかなりランを稼ぐゴルフゾンの表示が続き「思い切り振っても大丈夫」の同社の説明通り。フックやチーピン、吹け上がりの類がアンダースペックの5Sでも皆無だった。
 
同じヘッドで【6S】も試したが、なぜか重いこちらの方が切り返しで“間”と手元側のしなりを感じやすく「ハッキリ中元」だと体感。ヘッドの居場所が感じやすく、他社の6Xを使う記者にベストフィットした。同社のフィッターは「グリップ寄りに入ったQプライコアは切り返しの潰れに強いため、全体重量が軽い方が効いて他の5Sより復元が速いというか、ピーキーさを感じる人もいる」と話す。
 
米国には元々60g台以上の設定しかなく、今回の日本導入で高級素材をふんだんに使用した上で50g台を再設計したことも「記者のフィールに影響した可能性がある」とか。また、同社のYouTubeでMCを務める橋添恵さんも「私のヘッドスピードは39m/sで、最初に5 Sを打って意外と右すっぽ抜けとかもなく真っすぐ行くなって思いました。でも硬かったので、一番柔らかい5Rを打ったら凄く真っすぐ飛んだ」と言う。
 
気になる国内男女ツアープロの動向だが、既に男子プロの手にも複数人の手に渡っており、有力選手の複数でいい手応えを感じているとか。また、女子プロの動向について同社の石川峻氏はこう言う。
 
「10人弱の選手が試して総じて【スピンが少なくて、球が強いね】と。【左にも行きにくい】と、皆さん言われたんですが、右に抜けるミスも意外と【横滑りが少なくけっこう耐えて、縦に落ちていくような球を打つ選手が多かった】ですね。女子プロにはハードか?との質問が出るのですが、色んな選手がいて平均的な飛距離やHSのプロだと【今使ってるシャフトと同フレックスだとちょっと硬いかな】と言う方は正直いました。
 
そういう方には、半フレックスか1フレックス下げたものをお渡したりする選手もいます。一方で、最近優勝争いをされている派手なウエアの某選手は普段5Sですが、最初に同じ5Sを打ってもらったら【もっともっと強いのが欲しい】となって。最終的には5Xを試している方もいらっしゃるので、決して、ただ硬いとかいうシャフトではないと思います」
 
PGAツアーが流行したシャフトが日本に逆流するパターンは、三菱ケミカルの『テンセイ』やフジクラ『ベンタス』など、昨今の国内ツアープロ人気でも隆盛を極めている。USTマミヤの今作『LIN-Q』も、その流れで大ヒットするのか、マン振り癖のある人にはマスト試打の1本と言えそうだ。

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