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ミズノの新作『Mizuno Pro 241/243/245』、9月15日デビュー【打ってみた】

18日、ミズノが2024年モデルの新作『Mizuno Pro』アイアンシリーズを正式発表した。税込価格はマッスルバックの『Mizuno Pro 241』が5I~PWの6本セット145,200円、クロモリ鍛造のハーフキャビティ『Mizuno Pro 243』が同151,800円、中空マッスルの『Mizuno Pro 245』も同151,800円で9月15日発売となる。

「ミズノは世界特許打感と飛距離を追求した『Mizuno Pro』アイアンシリーズ3機種を9月15日に発売します。同シリーズは、フェースからネックまで一体成型する世界特許を取得した鍛造製法『グレインフローフォージドHD』により、心地よい打感を追求するシリーズです。2021年9月発売の前作からグローバルモデル展開しており、今回も同様に展開します。ブランドアンバサダーの武藤俊憲、小鯛竜也プロをはじめとする国内プロのみならず、海外のツアープロも愛用するシリーズです。
 
今回発売するのは、ツアープロのフィードバックを基に前作から打感を追求した『Mizuno Pro 241』、飛距離とコントロール性能の両立を追求した『Mizuno Pro 243』、高強度素材【クロムモリブデン鋼】を採用し、ミズノ鍛造アイアン史上最高反発を達成した『Mizuno Pro 245』の3機種。『245』の4I~8I、『243』の4I~7Iのフェースには、車のエンジン部品や航空機の脚部品などにも使用される高強度の【クロムモリブデン鋼】で、高い飛距離性能も追求しています」(同社広報)

今月初旬に千葉県のゴルフ場で、メディアやプロ・有識者に新作のお披露目会が開催されており、記者も『Mizuno Pro 241/243/245』の3機種に加え、同時発売の『Mizuno Pro FLI-HI』や『T24』ウェッジをひと通り打たせてもらった。今秋はタイトリスト『Tシリーズ』やテーラーメイド『P790』など新作アイアンが目白押しだが、アイアンの老舗・ミズノの新作にはどんなアップデートがあったのか?
 
■前作は中空の飛び系『225』がヒット!

冒頭から前作(現行の221/223/225)に関して「多くの選手に世界のツアーで使用して頂きアメリカ市場ではアイアンシェアが3位(14.9%)と、世界的に我々のアイアンが認められつつあります」と同社。国内に目を移すと「中空の飛び系『225』のツアー優勝者も現れ、当初は『223』がヒットすると思いきや、221/223/225シリーズ売上の約半数が『225』でした」。そのため、今作も中空の『245』が目玉になると言う。
 
早速、7Iロフトが前作と同じ30°の『Mizuno Pro 245』の7番を打った。開発者は「フェース裏の肉厚分布を見直し、打球部周辺の肉を薄くして反発を向上しました。前作よりタングステン量も約1.6倍に増やし、重心位置を低く・深くでき、より高く打ち出しやすい設計」と説明するが、その通りの高弾道。また、打感が前作より心地よく感じて「中空」と言われなければ、全く気づかない人が多そう

デザインも構えた形状も前作『225』とそっくりだが、弾道頂点の高さが『225』よりたしかに高くなったと感じる。また「9I・PW・GWのロフトを少し立てて8番から9番の距離差を埋める形に変更した」とか。見た目はほぼ同じシンプルな中空マッスルだが、よりフェースのたわみも感じやすく「やさしく飛ばせて打感も良くなった」のが『245』の印象だ。
 
■『243』は、短い番手のロフトに変更

次に試したのが、同じ7Iロフト32°の『Mizuno Pro 243』の7番。開発者は「フェースは前作よりも0.3mm薄くして反発性能を上げて飛距離・やさしさ・距離ピッチを追求するため、キャビティの後ろ側に番手別にスロット設計をしています。4、5Iは高弾道を打ちやすくするために幅広で、6・7Iは操作性のために幅を狭くしました」。打つと、説明どおり操作性がよく簡単に球が上がる印象で落下角がシリーズ中で最も大きくなった

こちらは前作と打感の差を『245』ほど感じなかったが、クロモリでもカチッとし過ぎず、ソリッドかつボールを押し潰す心地よさを感じられ、スピン量の多い球質で操作性も◎。デザインも前作と似ており「中・上級者のど真ん中」の印象も不変だった。5I~8Iまでのロフトは変わらないが、今作から9Iが41➡40°、PWが46➡44°へと立ったことで8番以下が4°ピッチに変わっている。
 
■『241』はよりコンパクトで操作性◎

最後に試したのが前作よりコンパクトになった『Mizuno Pro 241』の7番だが、ややブレード高さが抑えられ、打点裏の肉が分厚く変更されたほか「PGAツアー選手の要望でショートアイアンのフェース長をさらに短く変更して操作性を高めた」とのこと。加えて、逆テーパーブレード設計で、短い番手ほど重心位置を上げ、最適弾道が出しやすい軟鉄鍛造マッスルバックだ。

記者のフェース開閉は大きく、小ぶりで俊敏にフェースを返せるマッスルバックがフィットするのか、フェードの球筋がハイドロー系になり、距離も落下角も『243』よりラクに出せることに驚いた。長さも短いため見た目に極端な難しさはなく、恍惚の打感に「これ以上打つとクセになって自分のアイアンの印象が悪くなる」と思い、早々に切り上げた。
 
この秋はアイアンの新作が多いため、既にタイトリスト『Tシリーズ』が気になっている人もかなり多いはず。そこで、下記のスライドショーで、全番手比較の顔の流れの違いをたしかめてほしい。タイトリスト顔とミズノ顔のどちらが好みだろうか?

総じてミズノのフラッグシップ『Mizuno Pro』に感じるのは、米国市場シェア3位らしい“隙の無さ”。クロモリ素材のフェースになっても「どこに当たったか」が『JPX』より明確で、芯を打ち抜けた恍惚の打感が練習の球数を自然と多くさせてしまう。外観デザインは前作とさほど変わらないが、目に見えないフィールと弾道の数字に「打てば分かる」アップデートが隠されていた
 
Text/Mikiro Nagaoka

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