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2008年「全米オープン」回顧録 91ホールに及ぶタイガー・ウッズとロッコ・メディエイトの大激戦

2008年の全米オープンにて、72ホール目でバーディ奪った際のタイガー(撮影:米山聡明)

現地時間15日に開幕する、今季メジャー3戦目「全米オープン」。米国男子ツアー公式インスタグラムでは、2008年大会のタイガー・ウッズとロッコ・メディエイト(ともに米国)の激闘を回顧する映像が公開された。

映像は、アンソニー・キム(米国)への「2008年シーズンの大きな出来事と聞かれたら何を連想する?」という質問シーンから始まる。アンソニーは間髪入れず「タイガー・ウッズが片ヒザだけで勝った試合だ」と答えた。

2008年の「全米オープン」、タイガーはヒザの手術からの復帰戦。米国男子ツアー1勝のケン・デューク(米国)が「ゴルフが好きじゃない人が見ても、何かがおかしいと気づくはずだ」と語るほど、タイガーの足の状態はよくなかった。

それでも難なく予選を通過して迎えた72ホール目。これを外せば優勝を逃すという場面で、4メートルのラインを完璧に読みきりバーディを奪った。ガッツポーズとともに叫ぶタイガーの姿を思い出す人も多いのではないか。

ザンダー・シャウフェレ(米国)は、会場の木にぶら下がってその様子を見ており「本当に大きな歓声だったよ」と鮮明に覚えている様子。また、ジョーダン・スピース(米国)は、「あのパットをマネするためにすぐに練習場へ向かったよ」と語るほど印象的だったようだ。

トータル1アンダーとしたタイガーは、メディエイトとのプレーオフへ。当時は72ホールで決着がつかなかった場合、翌日に18ホールのプレーオフを戦うというレギュレーション。痛みを抱えるタイガーにとっては、不利な状況だと誰もが思ったはず。

しかし、予想に反してタイガーが前半でリードを奪う。対するメディエイトも後半で巻き返し、一進一退の攻防が続いた。パー5の最終ホールを1打リードして迎えたのはメディエイト。土壇場のタイガーは、足の痛みを気にしながらも2オンに成功。一方のメディエイトはティショットをバンカーに入れ、3オンとなった。タイガーがバーディを奪って追いつき、90ホールでも決着せず、サドンデス形式によるプレーオフへ。

91ホール目、メディエイトがタイガーのプレッシャーに負けたのか、バンカーからのセカンドでミスショット。パーを奪ったタイガーが満身創痍の中で優勝を遂げたのだった。タイガーはこの勝利で「トリプル・グランドスラム」を達成。記憶にも記録にも残る勝利となった。

今年の全米オープンではどんなドラマが待っているのか。ゴルファーの眠れない日々がもうすぐ始まる。

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