• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • フジクラ『スピーダーNXブラック』、9月7日デビュー。『TRAVIL』も【打ってみた】

フジクラ『スピーダーNXブラック』、9月7日デビュー。『TRAVIL』も【打ってみた】

フジクラから新商品発売の連絡が届いた。
 
「カスタム市場でのニーズが高く、国内女子ツアーでの高い使用率と勝率を誇る『SPEEDER NX』シリーズから、スピード感や軽快感を持ちながら、待望の高弾道・高スピンモデルが登場。操作性と安定性を両立した先中調子シャフト『SPEEDER NX BLACK』を9月7日より発売します。税込価格は44,000円となります。
 
先中調子をベースにフジクラ独自の設計技術【VTC】を搭載。ヘッド挙動が緩やかになり、操作性と安定性が向上しました。先中調子のシャフト特性である🔴つかまる、🔵高弾道、🟡飛びに加え、先端部(400㍉付近)の曲げ剛性を高めることでインパクト時のブレを抑制し、当たり負けせず左右のバラつきを軽減します」(同社広報)
 
■柔らかめの方が扱いやすい!

早速、記者(HS50m/s・ローフェダー)もテーラーメイド『ステルス2プラス』で打ってみた。エースが『Tour AD UB-6X』の記者には『スピーダーNXブラック』の50Sはアンダースペックだが、初球の印象は「ヘッドの居場所が分かりやすく、復元が速い先中調子なのに、暴れずしっかりインパクトで押せる」。持ち球通りのローフェドで、記者にはスピン量が入りやすい印象のGOLFZON計測でも2000rpm前後とランも稼げた。
 
出力を上げると当然しなり量が増して復元が間に合わないはずだが、驚きは右ペラ感触でも距離が出る点。ヒール打点でかなりフェースが開いた感触でも、フェアウェイ右から浅い右ラフ程度に球が耐え、“ド右”や“吹け気味のスライス”にならず距離が出せた。製品担当は「先端やセンター部のトルクを締め、手元側は緩めた」とVTCの効果で「200㍉の先端剛性は低いものの、当たり負けに強く球の分散を減らせた」とのこと。

50Sから60Sに上げると初速が増し、ほぼ似たフィールで持ち球通りのローフェドで長距離を出せたため、喜び勇んで本命の60Xにトライしたが、全く印象が違った。「40mm前後の先中部分がしっかり」と言うだけあって全体のしなり感がなくなり、超高速で走るフィールで球が左へ左へ……。フェースが開かず当たって初速は最も出るが、本命60Xだと急にタイミングを取りづらく感じた。ただ、一定の動きのため可変でも対応は効きそう。
 
記者の記憶では『エボ5』や『エボ7』に似た鋭い走りで、400㍉の剛性が高いせいか、5や7より球が強くなる印象。製品担当は「400㍉の剛性は上げたが、200㍉の剛性は低くスピン量も打ち出しも高くなる設計」とのことだが、『ステルス2プラス』ではかなりロースピンで球が潜る。そこで『ステルス2HD』に変更すると、ヘッドが軽いせいか更に左へ。無理に逃がすとスピン量が激増する結果で、記者の場合は「柔らかめの60S✕重めのロースピンヘッド」がベストだった。
 
■『TRAVIL』は『DG』から移行しやすい!

次に、アイアン用カーボンシャフト『TRAVIL』も試した。『DG』育ちの記者のエースは現在『モーダス125』のSだが、『TRAVIL』85Sはアンダースペックにもかかわらず、タイミングが取りやすくて驚いた。可変ヘッドのアタッチメントが重いせいか、バランス重めに感じたこともあるが、これまでの『MCI』とは違ってスイング中にヘッドの居場所を感じ取りやすく、粘り系しか使えず復元が速すぎないスチール好きの記者にマッチした。
 
重量帯を95、105、115と上げていっても、このまったり復元の粘り系フィールは変わらず。ただ、アタッチメントが重いせいか、ヘッドの開閉はやや遅れ気味で、目標地点よりやや右に集まる傾向はどの重量帯も同じだった。記者は『DG』のS200、S300で育ち、現在は『モーダス125』のSだが、製品担当は「そういった重めのスチール育ちの方は特にゴム層の入った復元が穏やかな『TRAVIL』と相性がいいと思います」とのこと。

「落下角が上がる」点が一番の売り文句の『TRAVIL』だが、ピンピンした復元の速いカーボンと異なる、スチールライクな穏やかな復元にそれ以上の利点を感じる。そのため、特にスピードを落としたり、振り幅をコントロールする際の自在性も抜群。手元しなりで間が長く取れ、1本芯の入ったフィールで穏やかな復元の仕方は、重めのスチールユーザーの記者が軽量帯に落としても驚くほど“自在”だった。

関連記事