4週連続最終日最終組 中島啓太が狙う日本勢最年少の大記録

大記録達成となるか。中島啓太が2戦連続Vに挑む。(撮影:福田文平)

<ハナ銀行インビテーショナル 3日目◇17日◇千葉夷隅ゴルフクラブ(千葉県)◇7636ヤード・パー73>

「67」をマークした2日目とはうって変わり、前半はパーを重ねる我慢のゴルフだった。だが、9番パー5でバーディを先行させた中島啓太は、後半11番パー3から3連続バーディと波に乗り、「69」でトータル15アンダー・首位タイフィニッシュ。2戦連続優勝に向けて視界良好だ。

前半で伸ばしきれなかったことには、「今日は風が正面とか左からでピンが右奥に切ってあるっていうことが多くて、なかなか攻めきれない、自分がいちばん苦手なピンポジションでした」とその要因を話す。そういう意味でも前半の最終9番でバーディが獲れたことは大きかったようで、「1つバーディが来てくれたので、気持ちが楽になった」と後半の追い上げにつながった。

惜しいパットもいくつかあった。『もっと伸ばせたのでは?』と問われると「確かにパターは取りこぼしが何個かあったけど、グリーンに癖があってなかなか難しかった。我慢強くできたらなって思います。でもそういうことはまったく気にしてないです」と、きっぱりと言い切る。ドライバーショットが多少曲がっても、次打で「グリーンを狙えたらいい」というマネジメントには余裕すら感じさせる。

これで4週連続となる最終日最終組。もし優勝となれば、日本勢ではツアー史上最年少(22歳359日)の2戦連続V達成となる。ちなみに、海外勢の最年少記録は1977年に「日本オープン」「ダンロップフェニックス」を制した故セベ・バレステロス(20歳232日)。海外メジャー通算5勝を誇るスペインの英雄に次ぐ、偉大な記録に挑戦することになる。

「今週も優勝争いに変わりはないですけど、金谷さんとの争いを乗り越えてきているので、焦りはまったくないです」。厳しい戦いを経験したことで、中島の心に生まれた余裕が、好プレーの源となっているようだ。

最終日に向けては、ミスに気持ちを揺らすことなく「焦らず落ち着いてプレーすることです」と話した中島。その表情には決意と自信がみなぎっている。(文・土屋裕一)

【国内男子ツアー連続優勝年少記録】
1位:セベ・バレステロス(20歳232日) 1977年
2位:鈴木規夫(24歳287日) 1976年
3位:細川和彦(25歳234日) 1996年
4位:イアン・ベーカーフィンチ(27歳176日) 1988年
5位:片山晋呉(27歳314日) 2000年
6位:石川遼(27歳342日) 2019年

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