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【F2第9節|記者会見/浜松vs長野】今季初のホーム2連勝ならず。浜松・高橋優介監督「リスク管理の差が出た」

8月19日、浜松アリーナにてFリーグ2023-2024ディビジョン2第9節が開催され、アグレミーナ浜松とボアルース長野が対戦した。

試合開始から、浜松は前線からプレスをかけて長野を押し込み、ボールを動かしながら攻撃の主導権を握る。すると9分、右サイドの内野脩麻からの折り返しを山桐正護が受け取ると、相手ディフェンスの隙を突き、浮き球をファーサイドへ送る。このパスをゴール前に詰めていた石川颯が体で押し込み、みごとな連係プレーで先制点をマークした。

その後も攻勢を保つ浜松は、セットプレーやロングボールからのピンチを凌ぎながら追加点を狙うも、リードを広げることはできず。14分には失点を許し1-1で試合を折り返した。

続く第2ピリオドは長野のペースに持ち込まれ、23分、24分と連続失点。残り5分からパワープレーに切り替えるも、パワープレー返しを決められ3点ビハインドに。残り1分で山桐が1点を返すも最後は第2PKでダメ押しを決められ、2-5で敗れた。

試合を終え、高橋優介監督が記者会見に出席した。

足りないのはクオリティではなく、執着心

●アグレミーナ浜松|高橋優介監督

──試合を振り返って。

結果として負けてしまったことはしっかり受け止めなければいけません。その原因は自分たちの戦いたい形を出せた時間が少なかったことです。長いボールとピヴォ当てという相手チームのストロングポイントを前面に出されたし、対応もあまり良くなくて、自分たちの弱さが出たゲームになりました。うまく噛み合わせをして勝ちたかったのですが、その流れに持っていけないままゲームが終わってしまったというのが正直なところです。

──ただ、第1ピリオドはプレスの部分もうまくハマって、押し込んでた時間帯もあったように思います

前半はよかったですが、後半に思ったよりも相手の長いボールがピヴォに入るようになってしまい、リズムが取れなくなりました。自分たちのプレスの運動量が減ってしまったのか、やり方が悪かったのか。もちろんフィクソというピヴォを抑えるポジションの役割もあるなかで、そこもちょっと良くなかったんでしょうね。守備のラインを下げようかという話も出てたんですけど、どうしようかという話をする前に失点をしてしまったので、なかなかそこから下げるっていう勇気は持てなかったですね。

──第1ピリオドでのタイムアウトではどんな話をしましたか?

残り時間が7分あって、ゲームは1-1だったのである程度をコントロールしていかなきゃいけないよと。連続の失点だけはしないようにしながら、追加点のチャンスもあるぞという話をしました。あとは、守備で二つと攻撃で一つ、合計で三つのポイントをチームには伝えました。いつもはもう少し早くタイムアウトを取ることが多いですが今日は取らないでいたので、あのタイミングで一呼吸を置くために、状況を見ながら判断しました。

具体的には相手がピヴォ当てをどういう形でやっているかと相手の絡み方を確認して、守備のやり方の話をしました。攻撃に関しては前半の途中からあまりうまくボールを前に運べていなかったので、それぞれのセットに合ったポイントを話しました。

──ピヴォの山桐正護選手と熊谷貫太郎選手のピヴォを両方出すパワープレーは、インパクトも強く、浜松の一つの武器としての完成度を感じました。

パワープレーについては、もう少しスムーズにボールを動かして点を取れるイメージでした。長野のプレスのタイミングを読むことが難しかったのと、自分たちがやろうとしてる形の前に崩れてしまったので、非常にそこがもったいなかったです。負けているし点は絶対取りに行かなければいけないシーンなので、そこはリスクも分かりながら攻撃にシフトをしていくことを自分たちは徹底しているので、ああいうメンバー構成になっています。

──パワープレーでは、Fリーグ選抜時代に監督と選手として一緒にプレーしていた三笠貴史選手が終始ディフェンスに入っていました。久しぶりに対戦していかがでしたか?

彼の特徴やウィークはわかっているので、正直そこを突こうと思っていたんですが、なかなか今日はうまくいかなかったし、バタバタしましたね。不得意なことを見せないようにするのがうまくなったなと思います(笑)。

──印象的だったのが、ゴレイロを局面によって3人とも使っていました。出場機会というよりも、個人のストロングを生かしての選択ということでしょうか。

3人とも調子がいいことは前提にして、それぞれ特徴があるので使い分けました。今日は3人を登録しましたが、もし2人だったらメインの選手とプラスで自分たちと相手の噛み合わせで交代するか否かを判断しています。普段はあまり変えませんが、今日は負けていたのもあったので、ああいう判断をしました。

──昨年までF1だった長野を相手に、強度の部分で苦しんだ部分はありましたか?

強度というよりも、リスク管理の差ですかね。F1のチームはどのチームも結果にこだわるというか。そこを僕たちも一番にやらなきゃいけないんですけど、とにかく勝つというところにしっかり軸が置かれているなと感じました。特に長野は自分たちのフットサルがどうだとか、、思考、哲学があるから、自分たちのプレーはこうっていうところではなくて、勝つために今自分たちはどうするべきか、その最善策をやってるっていうチームなので。僕らとは全く違う立ち位置というか、スタンスなんだなっていうのを改めて感じてました。

ただ、勝てないからじゃあ自分たちが取り組んでいることを辞めて、勝負できるのかというのも分からないです。

いつも選手たちには、ゴール前で体を張るべき瞬間、プレーを途切れさせないこと、そういうシンプルなところをしっかり積み上げていかないと、簡単に点を取られるし、自分たちは得点を奪えないぞと話をしています。そこを一つ頑張れば、チャンスも一つ増えて、もしかしたらゴールに転がってたかもしれない。もう一瞬早く反応できてたら、失点を防げたという場面がうちのチームはとても多いです。

プレーのクオリティではなくて、執着心っていうんですかね。そこをもっと全員が前面に出さないといけないかなと。自分たちのプレーの良し悪しだけではなくて、結果に対してコミットしていくことも両方やらないとゲームは勝ちきれません。そこがまだまだ足りないな部分だなと、今日は改めて思いました。

──浜松は普段から多くの方が会場に集まっていますが、今日は1,500人の観客が集まりました。初めて観戦した方もいらっしゃると思いますが、改めてチームとしては今後どういった試合を見せていきたいですか?

これはクラブにも話したりしているのですが、僕は試合に対して、観客のみなさんにも感情移入してほしいんですよ。もちろん負けは良くないんですけど、負けて一緒に悔しい。点が入ってうれしいという気持ちを、一緒に分かち合いたい。そのために、自分たちのプレーはどうあるべきかを突き詰めたいと思っています。相手の戦い方に対して何かをするわけではなく、主体的に自分たちが攻撃も守備をやらないと、見ている人たちは「おっ!」と踏み込んで見てくれないですよね。なので、来ていただいた方と一緒に盛り上がって、時には落ち込んで。そう思えるフットサルをやっていきたい。「特別な場所に来た」という非日常感が味わえる場所や試合にしていきたいです。

 

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