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「試合でバックドライブが打てない」原因と対策とは?|頭で勝つ!卓球戦術

試合が進むにつれて待ち方を変える

そして試合が進むにつれて、同じサーブを出したときにフォア前にストップが来る割合が高いなと判断したとする。となれば、フォア前が6割、バックへツッツキが4割という待ち方に変更するのだ。

この場合はフォア前に来たときは待ってましたと言わんばかりに攻めればよいが、バックに来たときはバックドライブを打つのはあきらめるべきだ。しっかりとツッツキでつないで、次球をブロックで待つ。このように相手の出方に合わせて自分が調整することが大事になってくる。

あるいは今度は、フォアへのツッツキとバックへのツッツキの2択を迫られているとしよう。どちらも同じくらいの割合で、バック5割、フォア5割で待つとしよう。この場合はフォアバック共に強打をするという考えを捨てて、やや打点を落としてもループ気味のドライブで対応する、という待ちをするのが良いだろう。

そしてその後の5球目、7球目で強打を狙いにいくわけだ。無理に強打を狙いにいってミスが増えるよりかは、威力を落としても確実に入れていく方が、相手としてもプレッシャーがかかってくるはずだ。

まとめ

この選手にしたアドバイスをまとめるとこうなる。

・まずは待ち方を整理すること
・待っていない方に来たら、「確実に入れる」ことを重視する
・待ち方は状況に応じて柔軟に変えること

といった具合だ。この選手のように、「バックドライブで強打がしたい」という考えを持つのは良い。だがそれに固執し過ぎると全体のバランスが崩れ、試合に負けるという最悪の結果を招きかねない。そのため、「あきらめること」が重要になってくるのだ。

卓球は対人スポーツだ。プロレスとは違って、相手がしたいことをいかにさせないか、ということが非常に大切である。それは相手だって同じだ。こちらがやりたいことをさせてもらえないのなら、こだわるのではなくそれを諦め、他の作戦にスムーズに切り替えることができる選手が、試合で勝ちやすくなってくる。

ただもちろん次のステップとして、こういった2択の状況の練習をするのも大事になってくる。試合となるべく近い状況を練習で作り出して、待ちを外されたときもある程度良いボールが打てるように、レベルアップしていこう。

今回の内容が、同じような悩みを抱えているあなたの解決のヒントになれば、これ幸いである。

文:若槻軸足(卓球ライター)

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