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愛工大名電・今枝監督「自分の考えを信じてもらった」 選手への厚い信頼でV掴む<卓球・インターハイ>

<第92回全国高等学校卓球選手権大会 日時:8月8日~8月13日 場所:北海道・北ガスアリーナ札幌 46(札幌市中央体育館)>

12日、第92回全国高等学校卓球選手権大会(以下、インターハイ)の男子学校対抗決勝が行われた。愛工大名電が明豊に3-0で勝利を挙げ、7連覇を達成した。

試合後、今枝監督が報道陣の取材に答えた。

愛工大名電高・今枝監督コメント

今のお気持ちは?

見ての通り、(選手たちが)素晴らしいプレーで頑張ってくれました。もし1番で0-3で坂井が負けていたとしても、(坂井は)良い集中力で戦ってくれていて、相手を褒めるしかないというプレーでしたので、本当に素晴らしい試合だったと思います。2番の面田も1年生で、2年の坂井と1年での面田でいってみようとチャレンジしたので、向かっていけたのが良かったのかなと感じています。

坂井選手の勝因は?

(坂井が)レシーブを途中から変えたと思うんですよね。それまではタイミングの遅いレシーブばかりしていたんですけど、本人も「これじゃいけない」と自分で言っていました。なので僕も、「こうしなさい」ではなくて、「そうだよね、俺もそう思う。変えていこうよ」っていう感じで伝えました。

それで5ゲーム目タイムアウトを取って帰ってきたときには、「今度は相手は後ろから振り回すのやめて前でブロックしてきたよ。相手も変えてきてるから、こっちも変えよう」と、一言だけ言いました。ですから、タイムアウトの時間が1分あるのに30秒も40秒も余っちゃって、言う事もないものですから、「あなたの考えは合ってる。アクセントでこれだけは入れて」って言って、自分の考えを信じてもらいました。

面田も一緒で、やっていることは合っているし実際に勝ってるから、もう余計なことは言わずに「いいよ、いいよ」と。それだけです。(選手を)信じてるって感じです。

面田選手を起用したのは?

データですね。全日本で加山が植木君に負けていたので、少しでも引け目を感じてほしくないと思っていました。だったら今回は面田に頑張ってもらおうかと、自分で選択しました。

ダブルスについては?

昨日(の男子ダブルス決勝)は、ゲームカウント0-2から逆転されるような試合でしたので、今日も昨日のようなプレーをしてくるだろうとウチの選手たちは準備していたと思うんですけど、少し違いました。それで、比較的落ち着いてプレーすることができたのかなと思います。

それよりも技の1つ1つの選択と言いますか、一球一球変化する中で、よく考えてプレーしてくれているなと思います。

後半に3年生が控えていたため、気持ちとしては余裕があった?


写真:面田知己(愛工大名電)/撮影:ラリーズ編集部

余裕ではなかったです。オーダーを前寄りにするか後ろ寄りにするかを最後の最後まで悩んでいたんですけど、坂井の力を信じてトライしたという感じですね。前半で(マッチカウントが)0-2になっても、1、2年生だから未来につなげてくれると。そして(後半の中村と萩原は)今までウチを引っ張ってきた2人ですので、0-2からでも盛り返していける力があると信じてトライしました。

昨日の準決勝では後半でゲームカウントが0-2になる場面があったが

えげつなかったですよ(笑)信用する3年生を4番、5番において(ともにゲームカウント)0-2ですから。0-2の7-9のときには、本当に負けたと思いましたね。けど、そこからでも勝ってくるんだからすごい精神力。あの2点取りはすごいなと思いましたね。

連覇をつなげるためにした努力は?

本人たちは、特にキャプテンの中村、副キャプテンの萩原は連覇をすごく意識して準備してくれていたと思うんですけど、私自身は正直(全国)選抜負けて楽になったと言いますか、1つ区切りをつけられたので。

普段の練習でも新しいことにチャレンジしたり、新しいことを話してみたり、これまでは守る方だったのであまり「こうしよう、ああしよう」と言いづらかったんですけれども、言いやすくなりました。そのように変えてきたことで、今回こういう結果につながったので、底力があるなと思いますね。

萩原は去年準決勝、決勝のダブルスしか出てない選手ですが、それがこうやって活躍してくれて、坂井も去年は2敗してましたので、素晴らしい成長だなと思います。

今年はシングルス4試合を終えてからの決勝となったが

去年は準決勝、決勝が同じ日にあったので、去年の方が楽でしたね。昨日のダブルスも超ハードだったと思いますし、このあと「何かやれ」って言われたらさすがにきついですよね(笑)昨日がそういう状況だったので、今日はよくダブルス勝ったなと思います。皆さん条件は一緒なんですけれども、ウチの選手はよくやってくれてるなと思います。感謝です。

名電の選手は0-2から勝つことが多いが、なぜ負けないのか?

正直、自分の場合はアドバイスを焦らず、選手を待つことが多いかもしれないです。自分に確信がないようなことは言わないようにしているというか、「本当にこうした方がいいよ」という確信を得てから言う。本人たちもきっと考えて台に入っていると思うので、自分たちが時間かけて考えてきたことを信じると言いますか。

それをまず先行させて、どこかで変化が必要だったらその時確信を持てていれば伝えるようにしてます。それが上手くかみ合ったときに逆転が起きるんじゃないかなと思います。

男子学校対抗決勝

〇愛工大名電(愛知)3-0 明豊(大分)


写真:7連覇を達成した愛工大名電高/撮影:ラリーズ編集部

〇坂井雄飛 3-2 木塚陽斗
7-11/1-11/11-3/11-2/11-8

〇面田知己 3-1 植木大陽
11-4/11-13/11-3/11-6

〇中村煌和/萩原啓至 3-0 木塚陽斗/岡田空
11-8/11-8/11-6

中村煌和 – 岡田空

萩原啓至 – 高橋拓己

文:ラリーズ編集部

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