• HOME
  • 記事
  • 卓球
  • 【アジア卓球選手権-後半戦プレイバック】世界2位の中国勢撃破、田中佑汰が男子唯一の8強入り。“Wみゆう”は殊勲の銅メダル獲得
【卓球】アジア選手権2023後半戦プレイバック

【アジア卓球選手権-後半戦プレイバック】世界2位の中国勢撃破、田中佑汰が男子唯一の8強入り。“Wみゆう”は殊勲の銅メダル獲得

パリ五輪へ向けた嬉しい誤算

写真:田中佑汰(個人)/提供:WTT

写真:田中佑汰(個人)/提供:WTT

男子は張本智和が手に故障を抱えていたこともあり、初戦でイラン人選手に敗れる結果に。世界ランク4位のエースに頼る部分も少なくなかった男子において新たな選手の飛躍が求められた。

そんななか今大会でサプライズと呼べる結果を残したのが22歳の田中佑汰。パリ五輪選考レースでは大会前時点で4位につけていた田中は、2回戦で世界ランキング2位の王楚欽と対戦。劣勢も予想されたなか、フルゲームまでもつれ込む奮闘ぶりを見せると、最終ゲームも11ー7で奪い逆転勝利。男子では初となる中国トップ3選手を倒してのパリ五輪選考ポイントを獲得する大金星を挙げた。

田中の躍進はその後も続き、3回戦でインド人選手を倒した後のラウンド16では、韓国のイム・ジョンフンと対戦。世界ランク17位の好選手相手にも怯むことなく、3ー1でこの試合も勝利。日本男子では今大会唯一のベスト8進出を果たした。張本がアクシデントに見舞われたなかで、田中が今大会で見せたインパクトは大きい。現在は篠塚大登とパリ五輪3位争いを展開する田中だが、今大会で日本男子団体は中国に完敗と呼べる厳しい結果となっており、今後のシングルスの争いだけでなく、パリ五輪の団体戦を考えても王楚欽を倒した田中の躍進は日本にとっては嬉しい誤算のはずだ。

パリ五輪選考争いも熾烈

約1週間にわたり開催された今回の卓球アジア選手権。結果的には前回不出場だった中国勢が復帰したことにより、改めてその強さと層の厚さを感じるとともに日本にとっては今後を見据えた現在地を図る機会となったのは間違いない。また、パリ五輪選考ポイント争いを考えても女子の平野、伊藤による2位争いや男子の篠塚、田中による3位争いなど今大会の結果を踏まえて、より熾烈を極め、日本の競争力が高まっていくことは各選手の今後の戦いにより熱が帯びていくことは予想される。

団体では男女ともに中国勢の前に0ー3で敗退と厳しい結果を突きつけられ、メダル獲得が期待された早田、伊藤、平野といったトップ選手が中国勢に屈した中でも、優勝ペアをあと一歩のところまで追い詰めた木原、長崎の2人や、トップ3撃破に成功し、男子の希望となった田中の存在は今後に向けては小さくない収穫となった。「アジア競技大会」でも引き続き“対中国”への対策は求められるなか、日本の男女ともにさらなる飛躍と上位進出には期待が高まる。

関連記事