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ステイクホルダーを共犯者に。スポーツクラブが試合外で生み出す熱狂

多くの“共犯者”を生み出し、スポーツで感動共有を

ー顧客体験を充実させるにあたっては、選手の協力も必要不可欠なのでは?

ヴォレアス・池田:ヴォレアスは日本バレーボール界で初のプロクラブですが、会社の業績が上がらないと選手に給料が支払えません。なので、選手も集客のためにSNSを活用しますし、オフシーズンにも多くのイベントに出演しています。「ちゃんと練習しているの」と怒られるくらいです(笑)。

いわき・大倉:いわきFCの選手はプロ選手と企業の社員が半々くらいで働いています。選手のブランディングはクラブにとって必要不可欠ですが、「遠くて近い」「近くて遠い」がベストだと考えているので、イベントには出ても、駅前でビラやチラシは絶対に配らせないです。

そして、選手には自分の価値を上げてほしいので、SNSでの発信はマスト。ただ、発信の仕方は相当コントロールしています。

グランパス・清水:グランパスは2016年にJ2降格を味わって、そこからクラブとしてのやり方を変えていくことになりました。選手は以前と比べて2倍くらいファンとふれあうようになって、オウンドメディアでの発信も始まりました。

もちろんそれは良いことなのですが、選手たちがスタッフに自分の意思を伝えづらい部分もあるのかなと。スタッフはもっと選手の声を拾いながら、露出を増やしていく必要があると思います。

ー今後、どのようにしてクラブを成長させていきたいとお考えでしょうか?

ヴォレアス・池田:私自身はかなり楽しんでいますし、仕事という感覚はないんです。会社やチーム、ファンを良い意味で共犯者にして、一つの輪を作っていければと思います。

グランパス・清水:ヴォレアスと同じように、みんなで一緒に苦しみながら作っていくというのはベースにあります。2018年には、リーグ戦で史上初となるホームゲームでの観客数4万人超えを達成しました。これはクラブとして成し遂げたいことでもあったのですが、ファンの皆さんもそう思っていたはず。そういった形で、今後も皆さんと一緒に熱狂を作り上げていきたいです。

シーホース・鈴木:やはり、いかに多くの方を巻き込んでいくかですよね。スポーツの面白さは感動の共有だと思っているので、ファンやスポンサー、行政などをどんどん仲間にして進んでいければと考えています。

いわき・大倉:福島県の子どもたちは、スポーツテストの成績があまり良くなく、運動時間も短いんです。その中で、私たちは無料のスポーツクラスを設けて、子どもたちとふれあっています。クラブビジネスをやっていて、週末に勝たなければいけないという緊張感もありますが、そういった活動ができることにも大きな意義を感じています。

<了>

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