絶好調ウォリアーズの“強さの秘密”。「僕らのアイデンティティはディフェンス」とカリーも自信<DUNKSHOOT>

攻守両面の指標で高数値を残す今季のウォリアーズ。とりわけ守備に絶対の自信を持っているようだ。(C)Getty Images
 ゴールデンステイト・ウォリアーズは今季、ここまで1試合を除いて不動の先発陣で試合に臨んでおり、11選手が平均14.0分以上のプレータイムを記録する層の厚いチームと化している。

 平均2桁得点はステフィン・カリー(平均28.2点)、アンドリュー・ウィギンズ(同19.1点)、ジョーダン・プール(同18.3点)の3選手のみながら、平均114.3点はリーグトップで、オフェンシブレーティング(113.0)もリーグ2位。クレイ・トンプソンというリーグ最高級のシューターも復帰に向けてトレーニングを続けるなか、チームは平均29.4アシストと3ポイント成功数(平均15.2本)はリーグトップ、フィールドゴール成功率は47.7%で同2位、3ポイント成功率36.7%も同4位と、見事なオフェンスを構築している。

 現地時間11月24日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦は、116−96で勝利した一方で第1クォーターは34失点を喫してしまう。しかし徐々にディフェンスを引き締めていき、最終クォーターはフィールドゴール成功率21.1%(4/19)の12得点に封じ込んだ。
 「それがこのチームのアイデンティティーなんだ。僕らはそれを証明し続けてやろうとしているし、毎晩このディフェンスを頼りにしている」

 試合後、ウォリアーズのディフェンス力に大きな自信を持っていると語ったカリー。ロースターにはドレイモンド・グリーンやアンドレ・イグダーラ、オットー・ポーターJr.といった有能なディフェンダーが揃っているほか、シクサーズ戦ではファン・トスカノ・アンダーソン、ゲイリー・ペイトン二世がベンチからエナジーを持ち込んだ。

「ベンチからゲイリーとファンという優れたディフェンダーたちが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。ディフェンスがいいオフェンスへと導き、ボールムーブも良くなるんだ。トランジションにつながるからね。後半は見事だったよ」

 選手たちをそう称えたスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)。ウォリアーズは一昨季こそディフェンシブレーティングでリーグ26位(113.0)に沈んだものの、昨季はリーグ5位(109.4)の高数値を記録、とりわけレギュラーシーズン最後の10試合ではリーグ2位(105.8)と、リーグトップレベルまで改善していた。
  今季もここまでリーグ首位の99.7をマーク。加えて被フィールドゴール成功率42.0%(同1位)、被3ポイント成功率32.0%(同4位)、平均100.8失点もリーグ最少と、昨季から守備に一層磨きがかかったと言っていい。

「僕らのアイデンティティはディフェンスなんだ。このチームは点を取ることだってできる。けど僕らがスイッチを切り替えた時、特に後半になって相手をストップして、タフショットへと追い込むことで、自分たちにとってゲームは揺るがないものとなるんだ」
  カリーがそう話していたとおり、今季のウォリアーズはハーフタイムでリードされていた試合でなんと7戦負けなし。後半に逆転してそのまま勝ち切る、抜群の強さを見せつけている。

 そしてチームは、26日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦を118-103で制して6連勝。今季19試合を終えて17勝2敗(勝率89.5%)と、文句なしの戦績でリーグ首位の座を堅持している。主力の長期離脱でもない限り、彼らが大崩れすることはなさそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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