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“おやじ”が”親父”から受け継いだランタン「コールマン200A」【アウトドアおやじが100回使ったギアvol.5】

何が魅力なの?

ランタンの灯りと過ごす夜

赤くて丸みを帯びたデザインがかわいい!なんてオヤジがコメントしてもねぇ…。

確かにそうなんですが、それよりも実用面での明るさや丈夫さが魅力だと思います。雨の中で外につるしておいても問題無いし。…でも近頃のキャンプ場は物騒だから、盗難には注意しないといけませんね。

この200Aというモデルはシングルマントル(電球にあたる、発光する部位がひとつ)なのですが、その明るさには驚く人も多いです。ホワイトガソリン満タンで朝まで8時間以上燃焼し続けます。LEDのような鋭い明るさではなく、いわゆる電球色の柔らかい色味で明るい!

忘れてはいけないのが、その燃焼音です。ダースベイダーの呼吸音みたいな「シュコー」って音なんです(笑)!この音によって赤ランタンの存在感が増し、安心感も感じます。燃焼しているので当然発熱量も大きいので、大型テントであれば換気に注意しながら室内の暖房にもひと役買ってくれます。ガソリンランタンなので多少匂うけどね(笑)。

また、我家では災害時の停電でも、リビング照明として何度も活躍してくれてます。


正しい扱い方を知っておきさえすれば、ガソリンランタンは決して怖くない

昔はキャンプ道具と言えばコールマンのツーバーナーにランタンがセットだったので、みなさんホワイトガソリンを使っていましたが、現在はガスや直火が主流になりましたよね。使い慣れていないと「ガソリン」と聞くだけでハードルが高くなるのも当然かと思います。ですが、取扱いに注意して正しく機器操作すれば怖くはありません。ベテランキャンパーを目指すなら避けては通れない白ガスギアとでも言いましょうか…。

特に注意すべきは、ガソリンタンクに給油する際や、その前後に他の火種の近くでやらないことです。こぼしてしまったホワイトガソリンも完全に気化するまでは要注意です。お子さん連れのキャンプでしたらババママは特に注意してあげましょうね。

そういえば何十年も昔、私の所属していた山岳会で北アルプスのテント場(キャンプ指定地)での事故がありました。鍋に水を足すつもりが水ボトルと勘違いして白ガスを注ぎ、一瞬にしてテントの天井が燃えた…。幸い怪我人は無かったのですが、あわや大惨事でした…。

ソロキャンプよりも仲間とのキャンプの方がこのような勘違い事故が起きやすいので十分注意してくださいね。


正しい点火方法を覚えましょう!

YouTube動画にはガソリンランタンに関するたくさんのHowTo物が上がってますが、個人的には正直、疑問を感じるものも多いです。当然ですが、基本はメーカーの推奨する使用方法が正解です。筆者愛用のモデル200Aにはホヤとタンクの間のカラーに英語のインストラクション(使い方)が印刷されています。この通りに扱えば意外とすんなりと点火できます。

この記事の最後に筆者のYouTubeチャンネル “アウトドアなチャンネル” で公開している200Aの取扱い方法の動画リンクを掲載しておきますので、英語の苦手な方もご覧いただければイメージできると思います。すでに赤ランタンをお持ちで点火に苦労しているという方もぜひご覧ください。


日常のメンテナンス方法

コールマン200Aパーツ

日常のメンテナンスは大したことはありません。この手の道具はちょこちょこ使ってあげることが最も有効なのですが、現実的にはそうもいきませんよね。いくつかメンテナンスポイントを上げてみました。

ホワイトガソリンの給油方法

ガソリン缶の口の向きに注意

200Aランタンに限らず、コールマンのガソリン機器の満タンレベルはフィラーキャップの内側下端です。タンクを揺すって、液面が近ければそこが満タンレベルです。ちなみに、ポンピングを必要としているコールマン製品のインストラクションに記載されている「ポンピング回数」は全て満タン状態を基準に指定されています。

ちなみに、コールマン純正のガソリン缶(1L、4L共に)から直接給油することはぶっちゃけ不可能に近いです。経験者ならわかる…(笑)。給油する際はコールマンのガソリンフィラーかフューエルファンネルを使うと便利です。筆者は40年前から使ってるアルミ製のファンネルを今でも使ってます。長年の経験で給油量の感覚がわかっているので一気に流し込めます。たまに失敗するけど…。

もちろん、100均で売ってる漏斗などでもOKですが、フィルターが付いて無いので、ゴミの流入には十分注意してください。ガソリン機器の燃料噴出部位(ジェット)の穴は髪の毛ほどの径なのです。大雑把なあなたは要注意ですよ!

使用後のクリーニング

明かりを消すと、ついついすぐに触れるような気になってしまいますが、消火直後はランタンが高温になっています。必ず冷めたことを確認してから始めましょう。

クリーニングのポイント

  • ベイル、ベンチレーター、グローブを外してベースに溜まった虫の焼死体を優しく吹き飛ばす。強く吹くとマントルが壊れますよ!これは日課にしておかないと、この虫を狙ってアリさんが集まってくることがあります。
  • 上記手順のついでにマントルの穴あき、損傷などの確認。小さな穴や裂けならばマントル交換しなくても大丈夫です。
  • グローブのスス磨き。普段はウェットティッシュで拭いてからティッシュで優しく磨きあげる程度でOK。くれぐれも割らないように!

マントルの交換時期と交換方法

マントルの交換作業

ランタンの光源となる「マントル」は燃やす事で炭化させた物なので、崩壊していなければ半永久的にでも使えます。まぁ、気分的なものもあるので年に一度は交換してもよろしいかと。筆者の場合、今年の春先に交換してから40回は使っていますが問題ありません。運搬時などの扱い方次第って事です。マントルは社外品でも構いませんが、頻繁に換える物でも無いので筆者は純正品を使ってます。

交換方法は、まず、壊れたマントルを綺麗に吹き飛ばしてから新しい物を縛りつけます。その後、マントルに火をつけて一度燃やしてあげる「空焼き」を行います。多少形が悪く、手で整えたくなっても、このあとは決してマントルに触ってはいけません。その後ランタンを点火すると一気にドーム状に膨らみます。こちらもYouTube動画にてご覧いただけばわかりやすいと思います。

保管方法

保管方法は大きく分けて二つ。タンクからガソリンを全て抜くか、満タンにするかです。筆者は後者を推奨します。1〜2年使わないことがあっても、満タンにしておけばタンク内の結露を防げるので錆びることは無いし、ガソリンも腐ることはありません。

これで44年間使用している実績があります(笑)。ちなみにバイクや車の長期保管もガソリンは満タンにしておくのがおやじ流です。

その他に気をつけていることは、ランタンが冷めてからフィラーキャップを緩めてタンク内の圧力を抜いておくこと。シール類への負担軽減になるかなと思ってやっています。また、長期保管後に使い始める際にはポンプカップへの注油をしてあげましょう。最近のポンプカップはラバー製が主流でオイル切れしてると摩耗が早くなり、ポンピングで圧力をかけられなくなります。もしそうなったら交換部品はラバー製ではなく、革製のカップに交換することをおすすめします。革製はオイルの保持力となじみが良く長持ちします。


ガソリンランタンをこれから購入するなら、おやじのオススメはこれ

と、ここまで筆者愛用の「200A」について説明してきましたが、冒頭で説明したとおり、200Aは現在でいうビンテージモデル。欲しいと思っても、気軽にすぐ購入できるものではありません。

筆者が現行品の中でおすすめするのであれば、コールマンの「286A」。シングルマントルなのでマントル交換も一つで済み経済的です。ツーマントルはより明るいと思われますが、実際の使用感としてはさほど変わりがありません。燃費は落ちるし、マントルのコストもかかるので、シングルマントルのランタンをお勧めします。

もし、モデル200Aのようなビンテージランタンの購入を検討しているのであれば、信頼できるショップを見極めてください。オークションなどでの購入はリスクが高く、製品が調子悪いのか、自分の扱い方が悪いのか見分けすらも判断つかなくなってしまいます。調子の良い状態を知らなければ、悪い状態かどうか判断できませんよね!

コールマン286A ワンマントルランタン 

低温時でも安定の明るさを保つガソリンランタン。130W相当の明るさでテントサイトを明るく照らしてくれます。

【基本情報】
燃料タンク容量:約590cc 
燃焼時間:約7.5~15時間 
サイズ:約φ16×31(h)cm 
重さ:約1.4kg
付属品:収納ケース 

コールマン ワンマントルランタン(ケース付) 286A740J

販売サイトへ


秋の夜長はランタンの灯りと焚き火で決まり!

木のトライポッドでムードアップ!

今回は、単なる飾りではないビンテージランタン「200A」の実用性をご紹介しました。

今年は猛烈な残暑が続いたのに一気に秋になりましたね。秋が深まっていくと共に絶好のキャンプシーズンになります。夜長をガソリンランタンの柔らかな灯りと “シュコー” という燃焼音と共に過ごすキャンプは格別な夜になりますよ!

では、みなさん良いキャンプを!

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